近現代史の旅25回目です。戦後の偏向史観を正すために今日も努力した
いと思います。太平洋での戦いの原因はほとんどアメリカ側にあるといっ
ても言い過ぎではありません。
アメリカの目的は最初から明らかに日本の攻略であり、太平洋の覇権で
あり、中国権益の拡大です。そのためにアメリカは日本にあらゆる挑発を
仕掛けてきました。
そして表向きの旗印は「民主主義の教化」、何をするにしても「国際正義」
を主張してゴリ押しの力ずく政策を押し付けてきました。
アメリカの偽善の旗印をイギリスやフランス等の西欧列強はアメリカが自国
の利益を通すためであり、日本を弱体化させるための見え透いた幼稚きわま
りない主張だと100も承知していました。しかし真面目な日本はこのような
正義ぶった言葉に昔も今も何故か弱い。
アメリカが日本を押さえ込みにかかった決定的な出来事が1921年のワシン
トン会議です。この会議はアメリカが提唱して、日本、イギリス、フランス、
イタリア、オランダ、ポルトガル、ベルギー、中国とアメリカの9ヵ国が
参加しました。
この時も「国際平和」と「国際正義」という言葉で会議をリードしていった
のはアメリカでした。一番目のテーマは海軍軍縮問題でした。この会議で
米・英・日の主力艦隊の比率が「5・5・3」と決められました。
この会議で山東省の中国返還がきまり、満洲における日本の特殊地位を承認
した協定が廃棄されました。このように日本の中国進出の既得権は全て否定
され、中国への可能性はすべて封じられました。そしてこの会議で正式に
日英同盟が廃棄されました。
このワシントン会議の首席全権を務めたのは加藤友三郎です。彼はこのまま
競争で軍艦を造り続けたら日本の財政は破綻してしまうという判断で「5・
5.3」を受け入れました。帰国して首相となった加藤は、軍艦を自分の
手で沈めるといった後始末もやってのけました。
しかしちょっと待ってください、軍縮を提案したアメリカも財政難だから
軍縮を持ち出したのです。イギリスはもっと財政難でした。三国は軍縮を
したかった、それはいいとして何故日本だけが米英の6割なのですか?
日本は正直に米英の5に対して3にすべく軍艦を廃棄しています。しかし
米英が軍艦を廃棄したという情報は全くありませんでした。もっと納得で
きないのは、外交は駆け引きであり取引のはずです。
米英日の主力艦の比率を相手の6割の条件を飲むなら、中国既得権益の放
棄を何故拒否しなかったのですか?
許せないことにこの会議において、アメリカ、イギリス、フランス、オラン
ダの植民地支配による既得権益には指一本ふれていません。日本だけが損を
する身勝手な会議の条件を何故了承したのですか?アメリカの仕掛けた罠を
どうして感じることができなかったのですか?
日本の歴史書にはワシントン会議を評して、「軍拡や対外膨張で日本が独走
するのをアメリカが抑止しょうとした平和のための会議」と記述されていま
す。そして会議に出席した加藤友三郎全権大使のことを政治が軍事をリード
したという点で優れた政治家だと評価しています。
私はこの歴史学者に、思わずよしもと流に「どこがやねん」「あんたはアメリ
カ側から日本の歴史をみるからや!「ええ加減にせえ」と言いたくなりました。
このワシントン会議以降から日本は孤立化していきます。アメリカは日本を
叩き潰すチャンスを20年間待ち続けます。アメリカはなにか事を起こす前に
かならず大義名分を掲げ、国内の世論を味方に引きつける術をしっています。
(次回は満州事変、支那事変と,泥沼の蟻地獄に入っていき、
アメリカが日本を追い詰めていく様子を書くつもりです)
