吉崎達彦氏(双日総合研究所副所長)が「TPP『機会の窓』ある間に
動け」と産経新聞で相変わらずTPP推進の小論(13日)を書いています。
吉崎氏は去年の12月2日同じ産経新聞の「正論」に「TPP参加で『海の
アジア』開く」と題してTPP推進論を展開していました。
吉崎氏は「TPPは『海のアジア』連合であり貿易自由化のみならず、制度
のハーモナイゼーション(相互調整)に力点を置いているところに特色が
ある」また「アジア太平洋地域における経済圏構築とは『TPP参加のメリ
ットとデメリット』などといったレベルの問題ではない。ましてや『交渉
21分野のここが問題だ」と枝葉にこだわるのも得策ではない」と去年の
12月に言っていました。
このように危険な21分野を無視して全く検証せずに単に貿易自由化交渉
としてのイメージで昨年は書いています。個々の問題に触れると賛成論が
論破される事を懸念して「脱亜入欧かそれとも大アジア主義か」あるい
は「日米同盟重視か、それとも東アジア共同体か」というぼやけた論点
にすり替えて論じています。
おそらく昨年の小論は、個々の具体的な問題に触れずにTPP推進論を書い
た事によって多くの批判を浴びたのではないかと推測します。そこで
今回はウエンディ・カトラー米通商代表補の発言を借りてTPP推進論を
述べています。
発言の結論から言いますと、カトラーはTPP反対論者の懸念を払拭して
日本をTPPにスムースに加盟さすためにTPPについて言明したのです。
つまりカトラーの言っていることは「米国がTPPを使って、日本の医療、
教育、単純労働などの市場をこじ開けようとしているというのは誤解で
ある」と言っているのです。
しかしカトラーの日本を安心さすために言った内容には日本にとって
金融、保険、ISD条項、食品、ラチェット規定、などの危険な項目には
全く触れていません。
米国にとってどうでもよい問題に触れて都合の悪い肝心の本丸については
全く触れていません。吉崎達彦氏はカトラーの作戦に乗せられてTPP推進
論を今回の「産経新聞の正論欄」で展開したのです。
吉崎氏は、カトラーの触れなかったISD条項については日本が締結して
いる二国間投資協定のほとんどにこの条項が入っている事で「日本企業
を守るための制度である」と言っていますが、このISD条項は、米国と
カナダとメキシコの自由貿易協定において導入され、その結果国家主権
が犯される事態が次々と引き起こされていることを無視しています。
吉崎氏はアメリカのグローバル企業の怖さを知らないとはあまりにも
愚かすぎます。
吉崎殿、元大手商社の貿易マンでのちにアメリカのブルッキングス研究所
に務めたあなたが本当にウエンディ・カトラー女史の事を知らないので
すか?TPP協議の米側責任者であるカトラー女史は米韓FTAで韓国を
ズタズタにした腕利きの才媛ですよ!
吉崎殿、あなたは米韓FTAの信じられないほどの不平等条約の中身を
知らないのですか?あなたは何故カトラー女史が仕掛けた米韓FTAの
具体的な内容について触れようとはしないのですか?
米韓FTAを参考にしなければならないのはTPPが実質的には日米FTA
だからです。米韓FTAとTPPの具体的な中身に付いて書けば長くなり
ますので省きますが、調べれば誰でも米国の恐ろしい仕掛けが見えて
きます。
米国が日本にTPP加盟を迫る狙いは、そのシステムとルールに日本を
参加させさえすれば、日本に蓄えられた莫大な富が日本から米国に移動
すると読んでいるからです。
TPPを導入すれば日本の国家主権がほとんど用をなさなくなり、日本の
文化・慣習が崩壊の憂き目にあいます。
TPPを仕掛けているのは米国というより多国籍巨大企業グループです。
私は過去ブログで世界経済の不安定要因を生み出しているのは「グロー
バリゼーション」と称される世界経済システムだと書いてきました。
つまりTPPはグローバリゼーションの手段であり、アジアを多国籍企業
の市場として支配するための邪悪な仕掛けなのです。
吉崎殿、TPPの交渉で日本が得られるものなど、たかがしれているのに
対して、守らなければならないものが多すぎます。あなたはこれらの事を
充分に知ってTPPを推進しているのならトンデモナイ愚か者か、あるいは
米国に魂を売り渡した裏切り者です。
最後に米国の本音がウィキリークスによて暴露されました。「TPPが将来
のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉
8ヵ国で合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。
それが長期的な目標だ」(米大使館公電から)
吉崎殿、この暴露された文章に接してもまだTPP伝道師と吹聴するなら、
あなたはやっぱり米国のエージェント、裏切り者に間違いありません。
ただTPPの効用があるとするならば、中国を軍事と共に包囲する基盤に
なります。しかしそのために日本を米国に売り渡して良いなどという理屈
はなりたちません。
結果、日本が衰退し、破滅してしまえばもともこもないからです。
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