戦後60数年世界は様変わりした、それ以上に日本はもっと変わった。
しかし日本経済を支え発展させてきた経済界の重鎮たちの頭の中は
少しも変わってきているように思えません。
たまたま新聞紙上で発言している財界人の言葉を見れば相変わらず
21世紀を20世紀の延長線上としか見ていません。
日本商工会議所会頭の岡村正氏は「自分たちが出ていくだけが国際化
ではない。世界から日本に企業が来ないといけない。残念ながら日本
への投資はほとんどない。海外から来てもらうために立地力を高め
なければならない」
つまり岡村氏は自分たちは労働工賃の安い海外にどんどん出ていく、
そのために起こった国内の空洞化を海外から企業に来てもらって失業
した労働者の雇用を確保してくださいという意味です。
しかし日本は世界一の成熟した先進国です。いまさら海外の企業が日本
に来るメリットはほとんどありません。すでに日本に進出して定着した
外資系企業は別ですが、よっぽど特殊なノウハウを持っている企業
以外は新規の投資はまず無理です。
最近では日本から撤退していく外資系企業は後を絶ちません。外資系
企業の日本での成績は落ちる一方です。運用拠点を香港やシンガポール
に移して優秀と認めた日本人を異動させ給与を香港並みにします。人件
費を削減することが狙いです。
一般に外資系企業が日本市場に進出する場合、日本の有力な取引先や
パートナーと手を組んで日本法人を設立しますが、最近はM&Aにより
日本企業を傘下に置くケースが目立ってきました。このような場合
雇用は増えません。もともと日本企業だから資本家が変わるだけで、
社員の人数は今までと同じです。
このように買収・合併された企業には、富士ゼロックス。住友スリーエム
萬有製薬、味の素ゼネラルフーズ、日本マクドナルド、日産自動車などが
あります。
事業が成功して利益が上がってくると、外資系企業は外資100%へと
移行するケースが増えています。最近ではバイエル薬品などがそうです。
そして工場は容赦なく工賃の安い海外に移転します。
外国から日本への投資で目に付くのは日本の株式への投資です。これく
らい迷惑な投資もありません。今や日本株式の外国人投資金額は60%
になっています。日本株式市場は外資の博打場にされてしまいました。
日本政府は相変わらず「21世紀に向けて、世界に開かれた活力ある我が
国の経済社会の形成のためには海外からの投資を拡大することが不可欠
である」と言っています。
戦後 焼け野原にされて日本経済が壊滅し 後進国並みの経済の頃なら
通用する言葉をこの21世紀の成熟した先進国の日本へは全く意味の無い
害のある言葉です。
例えば携帯電話端末では世界最大のノキアは、2007年日本法人を設立
しましたが、雇用を創出する製造工場を作ったわけではありません。
ノキアに「なぜこれほど日本市場に注力するのか」と記者が聞きました。
ノキアは「日本で開発した製品やサービスを世界に展開していく、日本
のエンジニアはとても前向きで仕事に対して献身的、技術的レベルも
高い、弊社は日本の手法と技術を取り入れて世界に広げていくつもり
です」と答えています。
多くのグローバル企業は世界の手法を日本に導入しようとして失敗して
います。ノキアは日本の手法を取り入れて成功しました。
いまやこの日本にとって外資など、ほとんど必要がありません。それな
のに多くの評論家は「外資は日本に投資をしてくれない」と嘆いています。
日本の苦境の原因は円高だと言っている評論家様、外国から日本への
投資が増えれば必然的に円高になります。何故なら日本へ投資するため
にはドルやユーロなど自分の国の通貨を円に変えなければなりません。
つまり、ドルやユーロを売って円を買うことになるのです。これは円高
の要因です。それでも海外の投資を歓迎するのですか?
日本は世界一成熟した先進国であるという認識がかけています。
これまで50年間にわたって、日本は世界の工業国の中でも最も成功を
収めてきました。しかし、いま起こっている変化は根本的なものであり
此れまで50年間において成功をもたらした方法では無理があります。
今後も成功を続けるためには、これまでの方法を根本から変えなければ
なりません。それにはまず、21世紀は20世紀の延長線上には無いという
認識が必要です。
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