金総書記死去によって「北朝鮮 敵視せず」韓国大統領、融和へ転換
(12月23日付け 産経新聞)
北朝鮮敵視政策をとっていた李明博大統領が突然対北融和策に転換した
のはなにも金総書記の死去とは何の関係がありません。
李明博大統領は米国の国防総省の指示に従って、北朝鮮を敵視して
対立状況に持ち込み、一触即発の危機状態を作り国民を戦争の恐怖を
煽ることによって米韓軍事同盟を強化する対米従属策を米国の指令
通りにやってきました。
韓国は北朝鮮の南侵の脅威を常に感じている以上、米軍に頼らなければ
枕を高くして眠れません。李大統領は同盟国アメリカを甘えのきく親分
でその軍事的コミットメントは絶対と考えていました。
しかし李大統領は米韓FTAの毒素条約を無理やり飲まされた時から
韓国は米国にとっていつでも捨てることのできる便利な手駒に過ぎない
ことを思い知らされました。
もちろんこの毒素条約を締結するための条件として日韓スワップ条約で
日本から5兆円の担保を手に入れることができましたが、それも米国
企業が損をしないための資金であることが 徐々に分かってきました。
米国はウォー・エコノミー(戦争経済)を維持していくためには、北朝
鮮の脅威を煽る必要があります。しかしウォー・エコノミーを維持する
ためにはそれなりの状況がひつようです。
それ故米国は北朝鮮が崩壊するのは都合が悪い、だから金総書記死亡の
前の話ですが、北朝鮮への24万トンの食料支援を決めていたのです。
米国の指示通り北朝鮮敵視政策をとっていた李大統領は米国の信義の無
さに嫌気がさし、北融和策に切り替えたものと思われます。
それとハンナラ党内では、このまま来年の大統領選挙でも北敵視策をと
るより、国内世論に従って対北融和策に転換したほうが良いということ
になり、北融和策を主張している同じハンナラ党の人気者の朴大統領の
娘を再登板させることができると読んだようです。
ところが李大統領が北融和政策に切り替えても北朝鮮では金正恩氏の
体制を固めるために、あえて韓国との小さな武力衝突を起こして、国内
の結束を高める政策を取ると思われます。
北朝鮮内部では最近金総書記の妹である金敬姫を大将に昇進しています。
その夫がNO2の張成沢氏です。この二人が金正恩の後見人として北朝鮮
を運営していくものと思われます。
張成沢氏は経済改革の担当で、北朝鮮を中国型の「社会主義市場経済」
を取り入れない限り国民を飢餓から救えないと思っているまともな人
です。この夫婦は中国共産党からの支持も信頼もされています。
しかし軍は金総書記の先軍政治である「軍隊は党であり国家であり、
人民である」という軍事優先の思想に染まっています。
そこで金正日の死で当然のごとく権力闘争が起こってきます。
中国は密かに北朝鮮内部のトラブルを待っています。北朝鮮軍が動けば
即中国人民軍を投入して制圧します。星条旗が北でなびかないためにも
電光石火で動きます。北へ侵入した中国人民軍はそのまま居座って
北を支配していきます。
三代目である金正恩は長生きできない運命のようです。
