産経新聞にオピニオンという欄があり、対立する2つの主張を対比
させています。今回のテーマは「復興増税」についてです。
学習院大学教授岩田規久男氏は「復興費用はどのようにしてまかなう
べきか」という問題に対して「復興国債を発行し日銀がそれを引き受け
ればいい。金融緩和を同時に進めることでデフレ脱却につながる。増税
は内需を減少させ一層のデフレになる」と正しい意見を述べています。
それに対して大蔵省出身の元金融担当の柳沢伯夫氏は「増税はせずに
日銀による復興債の引受で対応すべき」という意見に対して「冗談
ではない、財政規律が崩れ、海外市場からの信任が失われる。ギリシャ
のように国債の売り浴びせを受け、長期金利が跳ね上がる最悪の事態
になりかねない」といっています。
この柳沢氏の考えは国の経済をまったく知らない、ギリシャ債務危機と
日本を同列に考えるなど、あまりの無知に呆れ果てます
私はブログで何回も国の経済と個人の経済とは根底から違うということ
を説明してきました。
経済について柳沢氏や多くの一般の理解は、共通している物の見方が
個人のそれであって、経済全体についてのそれでないという点を理解
しえないでいることから、ひどく混乱しているように思われます。
財務省のホームページの中に「日本の財政を家計に例えると」という
文言で始まり、1世帯あたり6661万円ものローンを家計が抱えていると
し、子や孫に負の遺産を残す」という警告文が載っていました。
よく恥ずかしげもなくこのような無知な文言を書けるとは只々あきれ
果てます。家計の債務と国の債務を同列にしか考えられない愚かな人
たちが日本を動かす財務省の考えとは情けないかぎりです。
金を借りるということは貸す人がいるわけです。それでは国は誰から
金を借りたのですか?日本国の場合は明らかに日本の国民です。
日本国の債務は日本国民の資産です。つまり日本国債の大部分は日本
国民が所有しています。
政府債務の約95%を引き受けているのは日本国民の貯蓄です。つまり
我々の預貯金や生命保険、年金の多くは国債で運用されています。
したがって、新しく生まれた赤ん坊に借金を負わせるのではなく、
むしろその債務におけるシェヤーに等しい資産を得ることになります。
それ故「日本国の債務」の場合は日本の経済的苦境の物差しではない
ばかりかそれらと何ら明確な関係も無いということを、まったく理解
してない人たちが日本の中枢にいて、日本国を経営しているのです。
恐ろしいことです。
「次世代にツケを残してはならない」と繰り返して発言をしている
無知な野田首相の発言には、どのような真実と重要性が含まれている
というのですか?
我々国民が必要とするのはレッテルや決まり文句ではなく、この偉大
な日本国の経済マシーンを前進させ続ける技術的な問題を、基本に
戻って議論することです。
私は国債を際限なく発行しても良いとは言っていません。しかし現時
点の日本国ではまだまだ余裕があります。
ノーベル経済学者のクルーグマン教授は「日本やアメリカのように
自国通貨を有する国は、国の借金を返すためには最後は印刷機に頼る
事ができる。しかしそこからどれくらい引き出せるかは、限界がある。
紙幣の印刷に頼るということはインフレを呼び込むことになる」と
いっています。
ところが日本は強烈なデフレです。復興国債を日銀が引受け、金融
緩和を進めればデフレ脱却につながり、インフレ率が2~4%まで
上昇すれば税収が増え、増税せずとも財政再建は簡単にできます。
緩やかなインフレを拒否し、増税路線を優先させる財務省の考え方は
正気とは思えません。
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