最近の私のブログは経済のことばかり書いています。書いた後、
書き足らないというモヤモヤで、また経済のことについて書いて
みたくなります。
経済論についてのモヤモヤはここ20年以上続いています。特にテレ
ビでコメントするエコノミストの論に対して「それは違うだろう」と
いつもテレビに向かって噛みついています。
今日は19世紀~20世紀の間、絶対的と思われてきた資本主義が少し
ずつ変節を遂げて、私達が想像していなかった新しい新資本主義が
台頭して世界を変えようとしています。そのことについて考察してみ
ます。
断っておきますが私は大学院で経済学を学んだわけではありません。
だから、アダム・スミスもリカードもマルクスもケインズも深く知り
ません。
しかし実際の経済活動にたずさわっている人なら、私の思いは共感
出来るのではないかと思っています。
私を含めて多くの人々は、「世界のどこを見渡しても、資本主義以外の
経済体制は結局どれもうまくいかなかった。19世紀と20世紀に資本
主義に対抗したファシズム、社会主義、共産主義はことごとく消え
さった」という思いは共通項のはずです。
そして勝負はつき、戦いは過去のものになったと誰もが思った。
しかし資本主義の優位性である、成長、雇用、金融の安定、実質賃金
の増加といったものは、最近ことごとく消えてしまったように思えます。
資本主義の根幹を何かが揺るがしています。その何かがはっきり見えて
きたような気がします。
民主主義の根幹は「一人一票」にあります。資本主義の根幹は「市場原
理に任せる」ことにあります。
しかし日本の場合「一人一票」も社会主義と在日の外国人に支配
されたマスコミの誘導に導かれてとんでもない政党に貴重な一票を
投じるはめになり「一人一票」の理念が崩れてしまった。
「市場原理に任せる」という資本主義の根幹も巨額な資金を動かす
ことの出来る投資機関によって世界市場を揺り動かし、市場を操り
「市場原理に任せる」という理念も崩れてしまった。
資本主義だけが、人間の個性を生かし、人間の貪欲や私利追求を
うまく利用して、生活水準を上げることができると誰もが信じて
いた。経済を支配するのは市場だけであると誰も疑う人はいなかった。
つまり我々が信じていたはずの民主主義も資本主義も足元から崩れ
始めてきました。
資本主義の最大の欠陥は努力、能力の差によって格差が拡大して
弱者が生きることが難しくなることです。
日本の場合この欠点を社会主義者たちは巧みに利用して、「人権」「平
和」「平等」などの誰の反対できない美辞麗句で国民の一票を集める
ことに成功したのです。
「国民」を「市民」と言い変え、日本人を消して地球人に置き換え、
「反国家」「反天皇」「反防衛」と幼稚な理想を掲げ、日本を解体する
ような方向に導いて来たのです。
18世紀から19世紀にかけてイギリスで産業革命が起こり、物質的な
生活水準を上げることに成功しました。資本主義の始まりです。
資本主義によって多くの富裕層が輩出されましたが、貧困層も増大し
ました。
社会主義は、資本主義が生まれた直ぐ後に、資本主義の欠陥である
不平等の拡大、失業の増大、を是正するために生まれました。こうした
問題を解決するために社会主義のもとで、新しい人間を創りだそうと
しました。
社会主義は資本主義の原則である生産手段の私的所有を否定し、生産物
や富を平等あるいは搾取なく適切に分配しました。
人間性を無視したこの制度は新しい人間を創りだすことが出来なかった。
皮肉なことに国民の生活は以前より苦しくなり、支配者と国民の格差は
資本主義より拡大してしまった。
個人の価値と社会の価値との戦いで、当たり前のごとく個人の価値が
勝利を収めた。
社会主義の思想が国民を洗脳して革命を起こさないために、ドイツの
ビスマルクは、公的な年金・医療制度を発明し、イギリスのチャーチ
ルは世界初の本格的な失業保険制度を整備し、アメリカのルーズベルト
が資本主義が崩壊の危機を迎えた時、社会福祉を充実させて資本主義を
救いました。
つまり自然体の資本主義に社会主義的な制度を取り入れて資本主義の
欠陥を補いました。資本主義の支配者たちはマルクスより賢かった。
最近の資本主義は一票をもった国民を恐れて弱者優遇の極端な制度を
無理やり導入して資本主義を壊し始めています。結果多くの先進国が
国民を甘やかして財政破綻を起こしています。
ヨーロッパの多くの国は第三の道と呼ばれた福祉国家を目指しました。
しかし行き過ぎた福祉は怠け者を増やし国の財政を破綻させています。
共産主義の国であろうと、資本主義の国であろうと、数%の富裕層に
国の富が偏り、ますます格差が広がっています。
その一方で先進国には新しい階級が誕生しています。それは比較的豊か
な高齢者の大群であり、大半は働かず、収入の多くを国の福祉に依存
する人たちです。
世界の資本主義国家の政治家たちは一票欲しさに行き過ぎた福祉を
ばらまいて、財政危機を醸しだしています。
消費を増やすほど幸せになれるという資本主義の理念は何かがゆっく
り変わり、死んだはずの社会主義思想が資本主義の形を大きく変えて
福祉国家へと変貌を遂げました。
しかし福祉国家もほころびが目立ち、多くの国で限界に達しています。
これから先私達の社会はいったいどうなるのか?新しい国の形とは?
胸がわくわくするような時代が来るのだろうか?
さて 私達が旅立とうとしている新世界の姿とは・・・・・。
