前回の続きです。
アメリカの「仕掛けた罠」について分析したいと思います。
他国を分析する基本は「自国の利害に関係なく他国を助けるような国
などこの世に存在しない」という当たり前のことさえ理解していれば
相手の真意を見抜くことはそれほど難しいことではありません。
それとアメリカを分析する為の最重要項目は、永久にウオー・エコノ
ミー(戦争経済)を維持するということです。
このアメリカの戦争経済を支えるグループを「軍産複合体」といい、
その中核に位置するのが、ペンタゴンとCIAです。
そして「軍産複合体」はペンタゴンを中心にして、軍、企業、大学、
CIA,等の緊密な組織を作り上げています。
アメリカは戦争経済を維持しなければアメリカ経済は成り立ちません。
軍産複合体は年々肥大化し、ペンタゴンから発注される莫大な武器の
注文先は約2万5千万社、その周辺の下請け会社は約2万社、金融面を
司る銀行団、大学研究室が70以上、シンクタンクが21など、それ以外
の間接的な産業まで含めると何千万人もの労働者や科学者、研究家、
政治家,退役軍人達がこの軍需産業で生活しています。
そのうえ兵器は輸出することでドルを稼げる数少ない商品です。アメリ
カのGDPの21%、雇用の17%を戦争経済がささえています。
つまり失業率が10%にもなろうとしている現在において軍事産業を縮小
する事は絶対にできない。
ところがオバマは33000人の軍隊の撤退を命じた。残りの約6万8千の
米兵も2013年までにアフガンから完全撤退することが予定されています
(BBC)アフガンから手を引く潮時として今まで生かされていたビンラ
デンを素早く殺害しました。
ということは軍事費が縮小される可能性があります。軍産複合体の危機
です。
昨年ハノイで開かれたASEAN地域フォーラムでクリントン国務長官は
「南シナ海での航行の自由は米国にとっても重要だ」と突然ベトナム
の立場を支持しました。
また米海軍の司令官が、南シナ海、尖閣諸島など東シナ海、などに
おける中国の領有権主張や影響力行使を批判しました。ほぼ同時に米軍
は、ベトナム、フィリピン、インドネシアとの軍事関係を強めました。
つまりアメリカはアフガニスタン、イラク、イランからアジアに方向を
転じたのです。戦争経済を維持するにはそれなりの状況がなくてはなり
ません。
それには敵がいなくては話にならない。それもアメリカ人がもっともと
思うような「ならず者国家」でなければならない。これには格好の国が
あった。野蛮人の中国です。
国際社会における協調体制を無視して欧米が制裁する北朝鮮、イラン、
スーダンなどへ平然と武器を供与し見返りに石油をとり込むなどの
えげつない資源獲得、地球規模の環境破壊、人権無視、いずれにしても
国際社会のルール無視、品格なきやり方、悪役にはもってこいの中国。
そこでアメリカは南シナ海において今まで中国を恐れて黙らざるを得な
かった東南アジアの国々をバックアップ、米国の後ろ盾ができたベト
ナムやフィリピンは中国に対して大胆な態度を取るようになった。
中国も南沙群島におけるフィリピンやベトナムの行動を以前より容赦
しなくなった。まさに一触即発の事態が現出したのです。
つまりアメリカの仕掛けた罠とは、アジアの小国を支援して中国との
対立を激化させ、中国が怒るように仕向けることなのです。
アメリカ軍産複合体にとってその存在を確実にするためには、この世界
がつねに緊張状態になければならないのです。しかしアメリカは緊張
状態を欲していますが、中国という「ならず者国家」を早急に消滅させ
るつもりはありません。
中国という敵を作ることによって軍産複合体は膨大な予算を獲得できる
しアメリカ経済を活性化でき、失業率も下げることが出来るからです。
しかしアメリカはすでに米中激突は想定済みです。中国の情報鎖国と
えげつない資源争奪の国家戦略はアメリカの国益に真っ向から対立し
ます。
それでは中国の海洋進出攻勢の目的はなんでしょうか?もちろん台湾
併呑です。台湾を確保しなければ、中国は海に進出できない。台湾を
統一できればアジア、太平洋への覇権確立は可能になる。だから台湾
併呑は中国にとり自らの生存に関わる大きな課題なのです。
だがアメリカにとって台湾は、アジア・太平洋防衛の要です。だから
米国も中国も台湾もベトナムもその他のアジア諸国も台中戦争、日中
戦争、米中戦争を避けられないと見ています。
だがしかし日本だけが、そう日本だけがアサッテの夢のなかで危機意識
がまるでありません。もし台湾が併呑されれば中国に海上から封じ込め
られ日本の命運が尽きてしまいます。
台湾は日本の生存に関わってくるほどの絶対国防圏だと分かっている
日本の政治家が皆無だということです。
(今回もこのまま続けると長くなります。続きは次回にて)
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