前回当社の中国撤退模様を少し書いてみました。当社は最初から中国撤退を
想定して中国投資をしました。だから何の痛みもなしに中国を逃げ出すことが
出来たのです。
ところが他社の中小企業は中国工場と合弁し会社を作ってしまいました。
法人格をもてば当然のごとく中国の法律に拘束されてしまいます。
つまり撤退が簡単に出来なくなるということです。機械設備の没収はもちろんのこと、
資産も合弁相手に全てとられてしまいます。中国には会社解散の法律が完備されて
いません。
解散するには合弁を認可した役所と合弁相手の中国董事(重役)の了解が
いります。そして双方の了解をもらうために莫大な違約金を要求されます。
違約金が払えないと法律的には永久に中国従業員の給料をはらい続けなけれ
ばいけません。まさに蟻地獄です。これを避けるには日本本社を倒産さすか、
解散さす以外方法がありません。
大手企業や外国の会社はこの危険を避けるために香港にダミー会社を作って
そこから中国本土に投資します。香港ではダミー会社の事をシェルカンパニー
といって誰でも簡単に会社を買ったり、作ったりすることができます。
日本の中小企業は中国人の怖さも知らず、安易に直接中国へ進出してしまい
結果地獄を見ることになってしまうのです。
話を前回の契約式合弁会社である威海工場との抗争に戻します。威海工場の
計算は この日本の会社はいまさら他社に振れば新たに設備投資をしなければ
いけない。だから50%の値上げでも飲まざるを得ないと強気に出たのです。
ところが当社はこのようなことを当初から想定して準備していました。
威海工場が突然豹変した時点で徐々に発注を減らし 3ヶ月後には半分にして、
4ヶ月後には突然発注をゼロにしました。
その時にはすでに青島と煙台の工場が威海の生産を全て引き受けていました。
特に青島の工場は総勢約1000人の大工場です。我々のために一角を開けて
待っていてくれていました。
当社も3年かけて特殊な機械を投入して徐々に発注を増やしていました。
威海工場との抗争をダラダラ書いていると又長くなります。私が言いたいことは、
中国人は常に相手の弱みを握ることが行動原理の第一だということを
肝に銘じる必要があります。
弱みを握られると態度が一変に豹変します。日本の政治家もハニートラップや
金という弱みを握られて自由に操られています。
中国の弱みは外国投資がなくなることが最大の弱みです。だからニュースに
なりやすい大企業に対しては慎重にならざるをえません。しかし末端の中小企業
に対しては露骨に脅迫、嫌がらせをして金をふんだくります。
中国は労働コストが上がったと言ってもまだ日本の10分の一です。
ストで.給料が倍になっても大企業はまだ撤退はしないと思います。
大企業は工賃の安さだけでなく、少々労働コスト上がっても中国市場で
売るために現地で作るというシステムにこだわっています。 まだ何回も何回も
痛い目にあわないと分からないと思います。
今日の結論です。中国人と付き合うには弱腰は非常に危険な対応です。常に
強硬な態度をとらないと、逆に身に危険が及びます
他人につけ込まれる前に、他人の弱みに付け込めというのが中国人の
行動原理の第一だということをよく覚えておいてください。
