前回は韓国船沈没について日中韓の本音を分析するつもりが 書いている内に
あらぬ方向に飛んでしまいました。いつも時間に追われてブログを書いていますと,
書きなおすのが邪魔くさくなり,そのままアップしてしまいます。
(支離滅裂文章に対する言い訳です。スイマセン)
今日はもう一度 日米中韓北の裏事情を考察してみたいと思います。
まず北朝鮮と中国の微妙な関係から読んでみます。
金正日の一番嫌いな国は日本でもアメリカでもない中国なのです。中国が
一番恐れているのは核を持った北朝鮮なのです。
この2国間の憎悪の駆け引きを少し時間をさかのぼって思い出してみます。
中国は06年北朝鮮への原由の輸出を全面的に停止しました。中国の建前は
6カ国協議へ復帰するように北に対して圧力をかけたということになって
いますが,実際は核実験を強行しようとしている北に脅しをかけたのです。
中国は,金正日が核実験を準備していることを,早くから察知していました。
ところが金正日は中国が石油のパイプラインを止めても核実験を強行しました。
この脅し合戦は核を持ってしまった北の勝ちです.なぜならその後中国は
北に対して石油も食料も従来通り支援しています。
北の核はアメリカに対しては無力な兵器も中国には脅威です.北京と北朝鮮
はつい目と鼻先です。北は表向きにはアメリカに対抗して自衛のためにミサイル
を開発し,核武装をすると言っていますが,実際は中国に対しての核武装
なのです。
両国はお互い強みと弱みを持ち合いながら,裏で常に脅し合戦を展開してい
ます。北は金大中,盧武鉉政権と続いた韓国に対しては露骨な脅しは要らない。
小さな嫌味な脅しは時々やりますが,基本的には韓国から多大な援助を貰って
います。
ところが李明博政権になってからこの援助が止まってしまいました。そこで
心底恐怖な脅しが必要になってきました。中国に相談したら、南北双方が
共に領海と主張している黄海上で米韓が軍事演習中である。
韓国船を一隻沈めれば米韓の誤射による同士討ちにすり替えることができる。
世界に対しては「捏造劇」「謀略劇」として断言できる。韓国も衝突が起これば
外資が逃げ、株は下がり、韓国経済は大きな打撃をうける。軍事的緊張が高まれば、
韓国が誘致したG20の開催も危うくなり、国際的威信を高める絶好の
機会をみすみす逃がしてしまう。
韓国はそのようなリスクを絶対に掛けないと中国も北朝鮮も思っていました。
ところが李明博大統領は米の力を利用して米,豪,英,スエーデンの専門家らを
含む国際合同調査団を作り、原因を徹底的に調査しました。
調査団は「魚雷が北朝鮮の潜水艦から発射されたとの決定的な証拠がある」
「それ以外に説明が出来ない」と証拠を揃えて指摘しました。
それでも北朝鮮は「デッチ上げ,陰謀説」を宣伝していますが,北の反論に
対して韓国は北の嘘を次々と暴いていきます。
例えば韓国の新聞によれば北が「130トン級の小型潜水艦など保有していない」と
いう主張に対して,韓国はすぐに北の潜水艦が撮影された衛星写真を公表して反論。
韓国は北朝鮮が20数年前のテロ犯罪を隠し通せた時代から全く進歩していない、
光ファイバーもコンピューターもない北の旧式科学技術を笑い,バカにした論調で
書いています。
そして朝鮮日報は「先に支援してやれば変わると考えて行われた対北経済協力資金は
1兆円をはるかに上回る。盗っ人たけだけしい北朝鮮を野放しにしてきた痛恨の12年間
が胸に突き刺さる」と書いています。
日本人も韓国や中国に対して「盗っ人たけだけしい」と言ってみたいものです。
韓国はたった12年(金大中,盧武鉉)ですが日本は韓国に対して戦前から
今日までどれだけ多くの援助をして助けたか,まさに天につばです。
話がまたアサッテに飛びそうなので元へ戻します。中国の狙いは金正日を排除
して、平和の使者として平壌にはいる、つまり無血開城を狙っています。
中国は当初長男の金正男が後継者になるものと思っていたようです。そのために
正男氏の取り込みをはかり,秘密裏にバックアップしています。
金正日はその事を察知して長男の金正男の暗殺指令を出しました。そのため
に長男金正男は,帰国できなくなり約9年間中国に長期滞在して中国に保護
されています。時々滞在先のマカオから姿を表したりしてニュース番組の映像
に写されたりしています。
金正日は中国の傀儡である長男を排除して三男のジョンウン氏を後継とする
体制づくりを急ピッチで進めています。
しかし中国は金正日総書記長がなくなればすぐに長男正男氏を帰国させ,
傀儡政権を樹立させます。そのためにすでに北朝鮮軍の数名の幹部たちを
手懐けています。
このあたりの中国と北のかけ引きは映画以上に面白いです。儒教の国として
は長男に後を継がせる方が筋が通っています。
長男金正男氏は母国語の他に英語,さらに流暢なフランス語,中国語,
ロシア語、また日本語も話せると言われています。父親の金書記長より
世界の状況に詳しく,IT関係にも強く,かなりのインテリです。
2009年に北京国際空港に現れた金正男氏に2001年に日本に入国しようとした
理由について「日本はとても清潔で美しい、また経済的にも非常に発展して
いる国だと思います。」と答えています。
もし金正男氏が朝鮮最高指導者になれば、たとえ中国の傀儡といえども北は
驚異的な発展を遂げ,意味のない拉致被害者も日本に帰ってきます。
そして北朝鮮の人たちもまともな生活ができるようになります。
何故かと言えば,この国の200種類を超える有用な地下資源の埋蔵量は、
大変な数字です。なにも偽タバコや偽札,麻薬などのビジネスをしなくても
すぐに豊かな国になれます。
日本人にとっては,貧しい飢餓国家としての印象が強いですが、いまや世界の
投資ファンドが目をつけています。
中国に独占させずに、世界の多くの大企業を上手にさばける人材は国際人で
ある金正男しかいません。
(長くなりました,この続きは次回にて)
