野蛮国家中国を抑えられる国はアメリカしかいません。そのアメリカの
甘い中国観が世界をメチャクチャにしていきます。
今年の始め米国製武器の台湾輸出や,ダライ・ラマとの会見,グーグルの
インターネット検閲など中国の抗議に臆することなく実行したアメリカに
安堵していました。
ところが中国を訪問したクリントン米国務長官は最重要課題の人民元問題で
あえて深追いを避けました。
ギリシャの債務危機に端を発した世界の金融市場の混乱を言い訳にして、
人民元改革の時期は自国の判断とする中国にクリントンは最大の配慮を
はらいました。
もともとクリントン夫婦は中国資金で選挙活動をして,夫は大統領になり
妻はオバマに一歩及ばず国務長官に就任しました。いまも中国資金に操ら
れていることは周知の事実です。
中国訪問に同行したガイトナー財務長官も人民元問題で「もちろん中国の
選択だ」と述べ,中国側の態度を追認しました。ガイトナーもやはり中国
資金に汚れているのだろうか、なせけない話です。
オバマ政権の危険なところは中国の実態がまるで見えていないということです。
中国人が全く異質で無頼な国民であることがわからず、国際問題で中国の
依存度を強めています。
アメリカが再び中国を戦略的パートナーとして扱っていけば、必然的に
中国の無法ぶりに目をつぶることになり、結果その被害はブーメランの
ようにアメリカにかえっていきます。
不正な貿易、通貨価値の操作、知的所有権の侵害、地球を壊す公害の垂れ流し、
数え上げればキリがないくらい中国の無法は際立っています。
誰かが国際基準に違反すればその代償は高くつくことを中国に教える必要が
有ります。その国はアメリカしかありません。
しかしオバマは忍耐強く中国が大人になることを待とうとしています。そして
国際協調を期待して、商取引のルール違反や軍拡、経済政策の批判を抑制して
います。
オバマのように情緒的に物事を考え決める人は政治家になってはいけません。
オバマは以前温家宝首相と人民元論議の中で「米国の失業者はわずか200万人だが、
中国の失業者は2億人だ」と言われ中国の主張を通してしまいました。
まさにリベラル政治家の弱点です。
オバマは米国の輸出を5年で倍増して200万人の雇用創出を掲げています。
そのために2008年以降ドルに固定した相場を続ける人民元に為替制度改革
を迫っています。その事は世界の公正のために正しいことです。
しかし米議会が主張しているように人民元が上昇すれば、現在中国に進出して
いる企業が米国に戻ってくるため雇用が創出されるということは100%ありえません。
人民元相場が上昇して輸出競争力がなくなれば、米国企業は工賃の安い他国
に移るだけです。もし工賃の高い米国に戻れば、会社を存続させることなど
不可能です。
米議会はドル建てで割安になる中国製品が洪水のように流れ込み、その結果
米国は対中貿易赤字が膨張したと批判していますが、中国製品とは中国に
進出したアメリカ企業から入ってきます。つまりアメリカ製品です。
中国からの輸入品は、日米欧の企業が輸出した部品が加工され製品となって
戻ってくるものが圧倒的です.こうした場合。中国が提供しているのは労働力
だけであり、人民元が割安であれば、中国の労働者はただでさえ安い賃金を
さらに安くしてくれています。
早い話が先進国にとって中国は便利のいい奴隷制度です。中国はせっかく
自国民を奴隷のように扱って安売りしてくれるなら、こんなありがたい
話はありません。中国労働者の犠牲で先進国の経済が潤っているのです。
アメリカ議会も中国に対して「為替操作国」を認定すると迫っていますが
中国が圧力に負けて国際ルールに従うような国ではありません。それより
「中国労働者の低賃金のおかげで米国国民は安い商品を手に入れ、豊かに
暮らすことが出来ます。これからも米国民のために中国労働者こき使って
ください」と言ってやればプライドの高い中国人はすぐに固定相場から
市場原理に従った変動相場制に切り替えてくれます。
このような簡単な話ではありませんが、問題は米政府が「人民元相場が上昇
すれば、中国に進出した米企業が米国に戻ってきて、雇用が創出される」と
本気で思っているなら、米政府はあまりにもレベルが低すぎます。
