「関西3空港懇談会」で橋下大阪府知事と井戸兵庫県知事の激しい
やり取りをテレビで見ました。橋下氏の苛立ち、悔しい気持ちが痛いほど
分かります。井戸氏の内心は「こんな知事成り立ての若造の言いなりになって
たまるか!」といういやらしい雰囲気が立ち込めています。
いつも優秀な若者の足を引っ張る意地悪な老人のパターンです。
橋下氏の目線は日本国を見据えて関西を見ています。関西空港を羽田と
同等のハブ空港にして日本の発展を考えています。関空をハブ空港に
するためにはどうすればよいかという視点で思考しています。
日本の多くのビジネスマンは日本の航空行政のチグハグさと遅れにいらだって
います。先日の関西3空港懇談会での内容は詳しくは存じ上げませんが、
役人や知事の集まりでは日本の将来を見据えた考えは出てきません。
まさに目の不自由な方が象を触って論じても象の立体が見えないのと同じです。
おそらくハブ空港の意味も重要性もわかっている人が橋本氏だけでは
また実現まで30年くらいかかりそうです。
羽田や関空のハブ空港化を政治家が決定してもハブ空港にならないのです。
決めるのは航空会社です。航空会社が企業の戦略としてネットワークを構築
出来る空港をハブ空港としているのです。
だから羽田も関空も各航空会社がハブ空港として活用してくれるような環境
設備を整えて待つしかないのです。
政治家も役人も世論も空港を拡張すれば自然にハブ空港になると誤解して
います。世界の各航空会社に黙殺されれば、ハブになりたくても成れません。
それと政治家や役人に一番欠けている視点は航空貨物の問題です。いまや
世界の空港で増大している貨物の需要が全く見えていません。
旅客だけの視点で貨物ハブを忘れていれば、たとえ24時間運用にしても
ターミナルを増設しても、間違いなく世界の航空会社からスルーされます。
世界のハブ空港と言われている空港は敷地内には航空貨物を取り扱う施設
が多くあり設備も充実しています。貨物需要の増大に答えて世界の航空会社
は貨物専用便を増発しています。
日本の識者は 韓国の仁川空港における多くの旅客の乗り継ぎしか論じて
いませんが、貨物の第三国への転送が増えていることを知っていますか?
それは利便性だけでなく、運賃に直接響く着陸料が韓国・仁川空港は日本の
空港よりはるかに安いからです。関空58万円、成田46万円、に比べて
仁川空港は18万円の安さで話になりません。
真のハブ空港にするには国内、国際、の旅客の乗り継ぎだけでなく貨物の
乗り継ぎを誘引する安い着陸料を設定しない限り他国と競争すら出来ません。
そのために自冶体や民間出資の株式会社にしてはいけません。国際空港は
国家の重要なインフラです。
子供手当てに5兆円も税金を投入して消えてなくなるくらいならその税金を
ハブ空港に投入すればいいのです。
話を最初に戻します。
井戸知事の言動を見ていますと日本という国がなかなか前に進まないこと
がよくわかります。橋下氏は関空をハブにするために伊丹廃港を主張して
います。関空に集中するために当然の考えです。
それを井戸氏は「どういう計画かわからないようなものを前提に、伊丹廃港
を論ずるのは荒唐無稽だ」といって廃港を拒否しています。
このように世界のビジネス状況や日本の現状が見えない人が政治家になれば
国家にとって害悪です。
指導者の資格は一瞬にして情勢の特色を見破る智慧と勇断を備えている人で
なければなってはいけません。
つまり話し合いによる合意の「判断」でなく「決断」の問題なのです。
橋下知事の主張している府市統合や道州制、関空のハブ化などは是非とも
実現すべきです。世論が覚醒して橋下氏を応援することを願っています。
井戸氏のように時期尚早という人は、100年経っても時期尚早といいます。
我々国民は怠情と臆病を偽善のマスクでごまかしている政治家を一刻も
早く排除しなければ日本の明日はありません。
