日曜日の朝、海岸通りを愛犬を連れて散歩、中国から吹いてきた黄砂の
せいか波間の向こうが霞んでみえませんでした。
帰ってきてコーヒーを飲みながら、関口宏のサンデーモーニングを見てい
ました。そこでクロマグロの禁輸案否決についてコメンテーターたちは、
相変わらずネガチブな論を発しています。
なぜこの人たちは日本政府の周到な準備や水産庁のお役人が極秘裏に説得工作に
努力したことを褒めないのですか?
寺島実郎氏は「今回の件について日本はCOP15の時と真逆のことをしている
これでは整合性が取れない」と発言、その他のコメンテーターも冷ややかな
屁理屈コメントを発していました。
日本人なら「よくやった農水省、よくやった宮原審議官」と まず最初に
喜びの声を上げるのが普通の神経だと思いますが。
ニュースでは「日本圧勝の裏には、途上国を中心に欧米主導の禁輸案への反発の
うねりと、日本政府の周到な準備があった」と言っていました。
久しぶりに心が和むニュースでした。
最近は日本を溶解させる民主党の政策や、欧米諸国の露骨な日本叩きで気分が
晴れません。「トヨタ」「マグロ」「鯨」、日本船団に破壊活動を続けている
「シー・シェパード」、法律に従って行われている太地の魚法の残酷さを強調した
ドキュメンタリー映画「ザ・コーブ」がアカデミー賞を受賞など、欧米諸国の
不当な言いがかりにうんざりしています。
日本叩きに裏側は、ヨーロッパもアメリカも日本の技術力を土台にした経済力
の強さに嫉妬しているからです。
先日テレビを見ていましたら評論家たちが「日本の製品はことごとく韓国に
負けている、いまやどこの国も高価な日本製品を買わなくなっている」と
したり顔で言っていました。
あまりの無知に腹が立ってきました。韓国の対日貿易赤字は昨年300億ドル
近くに達する巨額です。それは韓国は電化製品や車を作るためには日本の
優秀な資材、部品、工作機械を買わなければ何も作れないのです。つまり
韓国が世界に物を売れば売るほど日本にお金が入ってきます。
ビジネスマン出身の李大統領は対日貿易赤字を根本的に解消するために、
日本の素材メーカーを韓国工業団地に誘致させる戦略をとっています。
韓国側の税優遇処置につられて工場を移転する企業が出てくるのが心配です。
日本も早急に法人税を安くしないと優秀な工場が逃げ出します。
韓国は悲しいかな、サムスン、LG、現代、その他の財閥系の大手企業の資本
は外資系に握られ、技術は日本に握られています。
韓国は1997年のアジア通貨危機の時、ほとんどの大手企業や銀行まで
外資系ファンドに握られてしまいました。
その上韓国の大手企業は海外に進出、中小企業も中国やベトナムに進出、
そのために国内の空洞化は悲惨を極めています。大卒の50%は就職が出来
ません。
日本企業は製造拠点を海外に移しても、他国がまねの出来ない部品や工作
機械などの資本財を国内に残しています。
韓国だけではなしに、つまり世界中の工場は日本の資本財がないと物が
作れない状況になってしまったのです。
それと日本のエコノミストは勉強不足でほとんど知りませんが日本の
特許収入は過去5年間で倍増し、「特許収支」の黒字が06年で6128億円
になり毎年増えています。
韓国の場合は特許収支の赤字が25億ドルに達し、世界で5番目に特許の
赤字規模の大きい国です。(国際貿易投資研究所の集計)
韓国は知的財産に関する基盤が非常に脆弱の国なので、特許収支については
巨額の赤字から脱出することができません。
ちなみに米国の特許収支は359億ドルの黒字で、他国を圧倒する知的財産権
の強国です。日本のエコノミストは直ぐに米国の時代は去った、金融業に
突出して工場がなくなった、など米国を揶揄しますが、とんでもありません。
3月17日のブログでも言いましたが、米国を見くびるのは早すぎです。
変貌する世界地図の中で米国は必ず再建に成功します。
ついでに中国の特許収支の赤字額は64億ドルです。この数字を見ると中国も
真面目に特許料を払っているように見えますが、払っているのは中国に進出
した外資系の企業です。
日本の貿易は個人や家庭で使用される消費財で稼ぐ構造から、それらのものを
作る工場に必要な資本財や ライセンス料などの知的財産、投資の収益で稼ぐ
構造に変わってきています。
これらのことが日本のエコノミストにはまるで見えていません。
欧米の政府やビジネスマンは強すぎる日本にお手上げなのです。この前の
戦争でほんとうに勝ったのは誰だったか、世界の知識人はいま痛切に感じて、
います。
結局 世界各国は日本をいくら叩いても 強すぎる上に道徳的な日本に
蒼ざめるしかないのです。
