前回の続きです。
2回にわたって中国のインチキ経済をアマチュア経済学で分析してきました。
従来の経済学における方程式で数値や図表を駆使し、難しい経済専門用語を
用いて解説したわけではありません。なぜなら私は経済学の本を一冊すら
最後まで読み通すことが出来なかったからです。
経済学者の本は難解な表現を使ってむつかしくすることで、権威を保とうと
しているように感じられます。理解できないのは私のひがみですが!
このような従来の権威ある経済学で中国インチキ経済を分析しても正しい
答えが出てくるなど不可能です。そのうえ中国政府が発表する数値が上乗せ
された数値なら分析などほとんど意味がありません。
そこで私は中国経済を従来の経済学の方程式で解くのでなく常識という枠の
中で単純に考えてみたのです。
結果中国政府も全く意図しなかった不思議な経済理論がぼんやり見えてき
ました。前々回のタイトルで「中国は不道徳経済」とつけました、この言葉
が専門の経済学者がまだ発見していない新経済理論です。
不道徳経済とは中国人の人格欠如によって成り立っている経済です。
つまり中国の経済発展は生産性の相応の向上なしに、無制限に印刷された
大量の人民元によってもたらされてものです。
そしてその印刷された大量のマネーが中国政府のイニシアティブやビジョン
でなく不道徳な方法で特定の中国人の財布に直接入り旺盛な需要を喚起した
のです。つまり経済発展は国民の汗や頭脳によってもたらされたもので
ないということです。
先進国の資本主義国家では政府は直接マネーを印刷することは出来ません。
印刷できるのは中央銀行で政府は国債という借用証を発行して個人や企業や
中央銀行からマネーを借ります。
国は税金と 国債という借金でマネーを調達します。もちろん中国にも
中国人民銀行という中央銀行が存在しますが、中国の場合政府の意向で勝手
に人民元を印刷しています。
それと先進国では政府と経済界の関係は法律を基本として、時には敵対する
ことすらありますが、中国では政府の役人と経済界は一体化しています。
この緊密さが中国不道徳経済を支えています。
それでは不道徳経済の三本柱についてまとめてみます。
その一つは前回と前々回で書いた、国有企業に融資された巨額のマネーは
共産党幹部や銀行の幹部、工場の幹部、高級官僚などによって中抜きされる
経済です。
二つ目は中国全土に蔓延している汚職経済です。中国で経済活動をするには
賄賂なしに行うことは不可能です。経済活動以外の一般の生活においてすら
賄賂が必要です。
中国の発表では1年間に汚職で捕まった公務員は4万人と発表されていますが、
中国がわざわざ恥じである汚職を公表するということの意味を考えてみます。
それでは、中国の「公務員」は一体全体何人いるのか、中国の公表した総数
は636万人ですが、公務員に準ずる人々はその10倍以上と言われています。
それと中国共産党の公表されている党員総数は7000万人です。
党員は真面目に生産活動をしている人も居りますがほとんどは地方の役人と
して農民たちを搾取しています。国の定めた税金以外に、道の普請から学校
の経費、葬式、家畜の処理まで、さまざまな名目で農民に費用や手数料の
負担を求め苦しめています。
「中国消費者報」という新聞が地元の役人が農民たちから強制的に取立てを
つづけている実態を告発しています。それによりますと「多くの村で役人は
負担を払えない農民の家に押し入り、家財道具や家畜などを奪い、抵抗する
農民には暴力を振るい、時には惨殺した。」と書いています。
これでは万余の農民暴動の発生が後を絶たないのは当然のことです。
話がまたアサッテに飛びそうなので公務員の話に戻します。
中国発表の公務員の総数が636万人で汚職で立件された公務員が4万人と
いうことは1%以下の低い数字です。世界中のマスコミから批判されている
汚職天国には程遠い数字です。
つまり中国政府は「各国の公務員の汚職の数字とそんなに変わらないで
しょう」といいたかったのではないかと思われます。
しかし悪を裁く裁判所の判事や書記官まで汚職で逮捕されているということは
賄賂で罪を免れた公務員はかなりの数に上るということです。
このような中国の賄賂経済が不道徳経済の三本柱の二つ目です。
最後の三つ目の柱は通常の資本主義経済です。外資系の投資や生産活動、
貿易、一般の小売業、その他、いわゆる我々先進国の人々が経験している経済活動
です。この通常の経済活動においてすら賄賂は必要不可欠です。
以上中国の経済を支える不道徳経済の三本柱をアマチュア経済学で書いて
みました。
人民元を無制限に印刷している中国には不況はやってきません。賄賂を手に
することが出来る悪人だけでの世界では不況は無縁です。
このような不道徳経済の独裁国家がいつまで維持されるのだろうか?
「見かけの繁栄とは裏腹に中国はもはや限界に達している」と思っているのは
私だけでしょうか?
