前回の続きです。
今日は中国経済を解剖してみたいと思います
中国の滅茶苦茶な経済構造は、ある意味「経済理論に対する挑戦」です。
中国経済の異常な状況は従来の経済理論では説明が出来ません。
中国は戦後計画経済によって国が維持されてきましたが、結果的に最貧国で
国民は飢餓の線上で苦しんでいました。そこで詐欺師、小平は社会主義
市場経済を唱え、先進資本主義の資本と技術をタダで入手方法を考えました。
何しろ中国には土地とボロボロの工場と極端に安い労働力が大量にあります。
先進国の企業は毎年上がる労働者の給料は悩みの種です。小平は当初
先進国に向かって「国営企業を開放します、合弁会社を造りませんか、
土地も、安い労働力も提供します」と宣伝して罠を仕掛けました。
この巧妙なトリックは知識の無い中国高官が考えるはずもなく、中国を利用
しようと考えていたキッシンジャーがアドバイスしました。
農民上がりの無知な毛沢東には理解できませんでしたが、フランス留学経験
のある小平はすばやく理解して権力を握った後 実行に移しました。
そのときのキャッチフレーズは「中国には13億の巨大なマーケットがある」
先進国の企業は三十分の一の安価な労働力と13億の巨大マーケットの殺し
文句に雪崩を打って中国に殺到しました。
中国に進出した世界の有名企業は中国の宣伝のために保護され、それなりに
メリットを享受しました。しかし中小企業は資本だけを取り込まれ大きな
傷を負って多くが撤退しました。
アメリカではベスト10の企業のうち7企業まで中国に工場を作り資本投下
をしました。アメリカのコングロマリットであるシアーズ・ローバックの
店頭に並んでいる商品の90%が中国で作られた商品だといわれています。
アメリカだけでなく日本も含め世界中のスーパーの店頭に並ぶ商品も
メイドインチャイナの比重が増えています。おかげで中国は何の努力も
なしに中国国内に多くの優秀な工場が出来、世界にセールスマンを派遣
することなしに世界中に商品が売れていきます。結果努力なしに巨額の
ドルが貯まっていきました。
ここまでは通常の経済の流れです。ここからは詐欺師中国の本領発揮です。
外国資本と合弁できなかった国有企業が外資系合弁企業を見習って、真面目に
もの作りを始めましたが、技術力で劣る多くの国有企業が勝てるはずもなく、
売れない商品を作り続けました。
本来ならとっくに倒産です。倒産さすわけにもいかないので中国政府は銀行
に強制的に融資をさせます。
なぜ潰さないかについて、お勉強のよく出来るエコノミストが書けば、
「国有企業を潰せば失業者が増えて社会不安を増大させます」と、常識通り
書きます。
実体を知っている私が真実を書いてみます。国有企業の幹部はすべて共産党
の党員です。社会主義国家にとって国有の工場がつぶれるなどあり得ないこと
なのです。そこで各銀行に命令して国有工場に巨額の融資をします。
最初中国政府も輸出代金や投機目的で入ってくる巨額のドルを買い上げては
人民元を刷って銀行に流し込んでいましたが、そのうち入ってくるドルと
面を合わさなくても平気で人民元を大量に刷って銀行に投入し国有企業に
流しました。
なぜなら各段階のそれぞれの幹部たちの中抜きが多すぎて、すぐに不足します。
その中抜きされた融資マネーが株式や不動産につぎ込み一挙にバブルを形成
したのです。
それと中国幹部たちは打ち出の小づちを偶然見つけました。それは資本主義
国家のまねをして上海証券取引所と深セン証券取引所を作り1990年営業を
開始したことです。
まったく裏づけのない国有企業の株を上場して彼らは巨万の富を得ました。
その後も増資するだけでマネーが自動的に入ってきます。
そして株価が上昇すればマネーも膨張しました。まさに共産党幹部たちは
一振りで巨万の富を生むことを知りました。
上海証券市場の時価総額は09年末には300兆円まで膨れ、すでに売買代金
において東証を抜き去りました。インチキが本物に見えてきたのです。
インチキの上にインチキを積み重ね、そして世界中の誰もがインチキだと
思わなくなってきたのです。
(今日はここまで 続きは次回にて)
