今日も懲りずに中国について述べたいとおもいます。
先日もテレビで女性キャスターが「中国が今年中に日本のGDPを抜いて世界
第二の経済大国になるみたいですね」と隣の経済学者に振ったら、その経済
学者は「いや、すでに中国は日本を追い抜いていますよ」と答えていました。
著名な経済学者に反論できるだけの知識は持っておりませんが、ビジネス
マンの経済学で少し論じてみたいとおもいます。
中国のGDPが かりに数値の操作がまったく無いとしても、中国人の生活
にまったく反映されずにむしろ劣化していることを説明してくれる学者が
皆無というのはどういうことでしょうか。
評論家や経済学者たちは北京や上海の沿岸部の人たちの生活ぶりや、自動車
販売台数が世界一になったという報道に幻惑されて中国の未来を語ります。
しかし経済学者ならもう少し中国のGDPを精査して判断すべきだといつも
思っています。
なぜ中国のGDPが成長しているのに90%以上の中国人の生活が向上しない
かについて考えて見ます。
まず考えられることは毎年控えめに発表される軍事費の増大です。軍事費を
増加させれば、当然GDPに計上されます。発表される軍事費は実際は
3~5倍といわれています。
銀行融資で生き延びている国営企業の非効率ぶりは有名です。上前をはねる
ための設備投資はなんら付加価値を生み出さない無駄使いであることは
周知の事実です。さらに設備投資で稼動し始めた工場の製品は売れなくても
在庫増としてGDPに加算されます。
テレビでよく報道される中国ハイテク工場は ほとんど中国に工場を移した
台湾企業です。その他先進国の工場群が中国の経済を支えています。
つまり先進国は低賃金と、中国政府の「通貨バスケット製」と称する為替
管理によって固定された割安の為替レートを利用しているのです。
世界各国の中国からの輸入は増加していますが、それは日米欧の企業が
中国に輸出した部品が加工されて、戻ってきているにすぎないのです。
つまり中国が輸出している中身は、単に労働力だけです。
ここ20年の中国の経済成長は生産性向上なき経済規模の拡大です。
いわゆる低賃金労働者の犠牲の上に成り立った経済の拡大なのです。しかし
結果として巨額の外貨は貯まっていきます。その外貨で中国は海外に盛んに
投資を行っています。
以前テレビで日本の経済学者は中国の海外投資戦略を盛んにほめて、いずれ
世界経済を支配するのは中国だと言い切っていました。
しかしビジネスマンから見て中国の外国企業の買収はあまりにも稚拙です。
IBMは2005年、パソコン事業を中国に約2000億円で売却しました。
この記事を見て中国政府はブランドを買いあさる日本の女性となんら
変わらないレベルだとおもわず笑ってしまいました。
IBMはパソコンの製造の大半は外注しており、明らかにお荷物の部門に
2000億の大枚を払うとは騙し専門の中国政府がIBMに騙されています。
また中国はイギリスの破産したMGローバーを100億円も出して買収
しました。イギリスの自動車は技術革新に後れ。つぶれて当然の工場で
誰も買い手が付かなかった自動車メーカーです。買収しても二束三文の
価値もありません。
古いウイスキーメーカーならブランドの価値はありますが、古い名門の
自動車メーカーには価値はありません。中国はまるで何も知らないお金
もちのお坊ちゃまのようです。
白人先進国はしたたかです。中国人を自惚れさせ中国人を安くこき使って
自国に富を持ち帰っています。まさに姿を変えた植民地政策そのものです。
世界のビジネスマンから見れば、人民元を安くしてくれることはただでさえ
安い労働力をさらに安く提供してくれる非常にありがたい国なのです。
自国の労働者を不幸にして、先進国を幸せにする国、中国さま様です。
エッ、皮肉ではありません、白人先進国は本気でそのように思っています。
日本の経済学者と政治家だけが中国を偉大な国と尊敬し、慕っています。
これは皮肉です。
