世界市場を常に揺り動かしてきたヘッジファンドの怪物 ジョージ・
ソロスが最近、中国を盛んに持ち上げています。
中国を持ち上げているソロスの発言を列記してみます。
① 北京で開かれた中国国際金融有限公司で「中国はその他の国と
比較しても、十分な外貨貯蓄があり、銀行のシステムも深刻な
ダメージを受けていないため、政府も経済政策への選択には比較的
ゆとりがある。(08年12月11日)
②「中国経済は2009年末に回復する。現在の金融危機から脱却する
ための中国の環境は、欧米に比べてきわめて良好といえる(3月17日)
③ 英ロンドンで講演「中国はこの度の世界的な金融危機の勝者となる」
(4月2日)
④ 上海の講演「中国の国際的な影響力は予想よりも早いペースで増大
する、何故なら中国の金融システムが世界から隔離されていること、
銀行センターへの政府の関与が大きい」(6月7日)
⑤ 浙江省抗州市にて「中国への投資は他のどの国よりも関心がある。」
「ニューヨークに上場されている中国企業の評価は低すぎる」
(6月9日)
⑥ 上海市の復旦大学にて「中国は米国に取って代わって世界経済の
牽引役に躍り出る」「中国株は上げ相場」(6月9日)
これら中国を持ち上げる一連の発言からジョージ・ソロスの仕掛ける
「罠」を探ってみたいとおもいます。
ヘッジファンドのビジネスチャンスとは常に二つの可能性のうちの
一方が起きる事に賭けます。すなわち人民元が切り下げられて通貨の
投機でカネを儲けるか、または当局が通貨防衛のために金利を上げ、
そのために株が下落し、株の空売りで儲けるかの二つです。
国際ギャンブラーであるヘッジファンドの手法は簡単です。市場の変動
を最大限利用すること。すなわち思い切り持ち上げて思い切り谷底に
突き落とすこと。もちろんその逆もあります。落差が大きければ大きい
ほど利益が巨額になります。
しかしヘッジファンドが攻撃を仕掛けるには人民元はいまだ兌換性を
保証されていない。中国が人民元の国際化をためらってきたのは、
これまでヘッジファンドたちは通貨危機を起こしてきたからです。
当然中国は投機筋による破壊を恐れます。
そこで世界的に影響力のあるソロスが発言する事によって、中国に自信
を持たせて国際グランドに引っ張りだす戦略をとっています。この
誘いに乗って中国がノコノコと国際グランドに出て行ったときから
ソロスやそれに乗ったヘッジファンドたちが攻撃を開始します。
ソロスの一連の発言は中国通貨危機を引き起こすための準備を始め
たのです。
ソロスのお膳立ての段階を私なりに推測してみます。
まず第一段階としてソロスは100億ドル(適当な数字です)相当の
人民元を信用借りし、いつでもドルに替えられるようにしておきます。
大量のドルを空買いし、人民元を空売りする用意ができたら、こんどは
世界の注目を集める番です。
いろんな経済学者や政治家の口を借りて、人民元は近日中に切り下げら
れるだろうと発言させます。その上記者や編集者に金を払って切り
下げが近いと新聞や雑誌に書かせます。動揺した投資家は人民元を
売り浴びせます。中国は人民元を守るために短期間で大量のドルを
外為市場に注入します。
しかし過去の例から言って、この時点で勝負ありです。中国は人民元
を完全に変動相場制に移行せざるをえません。
この筋書きのバッグにはアメリカ政府の意思があります。変動相場制
にしないと中国は際限なくドルをため込みます。
中国は貿易黒字が拡大しすぎて外貨準備高が異常に膨れ、米国債を
持ちすぎました。そのためにアメリカは以前から人民元切り上げ要求
をしてきました。しかし中国は人民元が切り上がれば輸出と外資参入
によって経済発展してきた中国経済が打撃を受けます。
そこで中国政府は様々な制限を設けて、外国為替市場での取引額を
少なくコントロールして、中国人民銀行が為替介入を常時行って、
人民元の米ドルに対するレートをほぼ一定に保っています。
中国の為替制度は一応、変動相場制だが、結果として固定相場制に
なっています。
今回の金融危機によって中国は輸出と外国からの投資が激変しました。
そこで中国は「元安」に移行して経済成長率を維持しようと必死に
なっています。
ここにソロスは目をつけました。中国の外国為替市場における全ての
制限を取っ払うように持って行かせて、国際グランドに引っ張り出せ
れば、勝負できます。
以前は1米ドル=約8.28元でほぼ固定されていました。現在は
6.28元です。中国の経済的地位が向上したのです。
しかし以前のように輸出と外資を増やすためには元安にする必要が
あります。
ところが中国を持ち上げる事によって谷を深くしたのです。最終的
には完全変動相場制になり、極端な「元高」になります。
ソロスは大儲けし、アメリカは中国のため込んだ米国債の価値を下げる
事ができます。
しかし普通の資本主義国家相手ならこの戦略は成功しますが、相手は
なんせ中国です、国も株式市場も、すべて「もどき」なのです。常識が
全く通用しません。ジョージ・ソロスの自滅で終わります。
なぜなら中国は法律を瞬時に変えヘッジファンドの手足を縛ります。
そして空売りを禁止する規制を瞬時に実施します。
その上ヘッジファンドの空売り資金以上の潤沢な資金を中国は持って
います。中国は自由市場ではない、中国は市場価格を簡単に操れます。
ここまで書いてきましたが、全て消したくなりました。天下のソロス
がこんな下手を打つはずが無い、それではソロスの中国べた褒めの
真意は?意図する事は何か?私の頭では無理だったようです。
ソロスはひょっとしてホンネで中国を賞賛しているのでしょうか?
国際投資家のセリフはその機会を自らの手で作り上げるためだけに
発言します。
ソロスだけでなく多くの著名人が中国を過大評価し始めました。
・世界銀行のゼーリック総裁は「中国経済が予想外の強さで回復する
可能性がある」「中国による人民元の国際化努力を歓迎」
・ ロシアのクドリン財務相は「中国人民元が国際的な準備通貨になる
可能性がある」
日本のエコノミストたちも中国が内需拡大のために57兆円を投資
したことを過大に評価しています。
私の中国経験による皮膚感覚で見れば「官需拡大」があっても
「民需拡大」はありません。国内住民の消費は年々弱まっています。
たとえ57兆円で公共工事をしてもほとんどは共産党役人の懐に
入り、その資金は海外へと逃げていきます。
一部のエコノミストは「中国は不良債権を果断に処理した、日本と
えらい違いだ」と称賛していますが中国のインチキ処理を知らない
のでしょうか?簡単に言えば国家的な「帳簿いじり」と「飛ばし」
をして処理したのです。
いずれにしても中国は銀行も人間も全て「もどき」の国なのです。
「国もどき中国」「人間もどき中国人」に本当に輝ける未来があるので
しょうか?
中国問題は人類にとって最大の難題のようです。
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