今日は雑談に終始したいと思います。
米国発の金融危機で国民に不安感が高まり、そのために選挙が
遠のきました。お陰で我々日本国民に考える時間が与えられました。
お粗末な日本のマスコミに洗脳されずに しっかりと現実の世界を
直視したいと思います。
今般の選挙は「国家存亡の危機」ともいうべき重大な選択だと
思われます。過去の大新聞の社説や解説を読んでいますと、まるで
この世界は善人ばかりで、外国とのトラブルは、すべて話し合いと
善意さえあれば片がつくと考えています。
この現実離れの典型的な例が、国連を中心とした平和外交です。
アメリカもロシアも中国もヨーロッパも誰も国連など相手にして
いないのが現実です。各国の絶好のプロパガンダの場となり下がって
います。
この無用な国連を中心とした外交がどんなものになるかは
子供でもわかります。
日本国民は綺麗な言葉、正義ふうな言葉にだまされ
やすく出来ています。このような愚かな国民性を巧みに利用して
邪悪な人たちがこの日本をリードしています。
憲法の前文に『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
我々の安全と生存を保持』という一文があります
日本の周辺に「平和を愛する諸国民」が一体どこに居るのでしょうか、
自国のエゴ丸出しの国ばかりです。紛争を繰り返す危険な国の「公正と
信義に信頼して、安全と生存」を任せるのですか?
この理想と現実をごちゃまぜにした希望的観測で国を存続させるなど
至難なことです。
日本の政治家の致命的な欠陥は国際情勢に関して全く無知で鈍感と
いうことです。その感覚の貧しさたるや形容すべき言葉もありません。
そして中国やアメリカは日本に対して常に罠を仕掛け、日本の
政治家はその罠に簡単にはまり込んでしまいます。
困ったことに大部分の政治家はそれに全く気がつきません。
それどころかナイーブで善意な日本人は、そんなことをするはずが
ないと頭から信じています。
ここで我々が少しでも覚醒するために、アメリカ外交の象徴である
キッシンジャーの非情なまでの現実的な外交を検証してみましょう。
彼の信念は、アメリカの国益と反共主義です。そのためには常識的
理想主義も道徳問題も彼にとっては何の意味もありません。
当時のアメリカの戦略はソ連、中国をハワイやカリフォルニアで
くい止めるより 繁栄させた日本でくい止めるという作戦です。
ところが60年から70年代にかけてアメリカ市場で売られた日本
製品はアメリカ製や他の外国製品を品質や値段の面でもはるかに
上まわっていました。
それに反比例してアメリカ製品は後退していきました。
そして日本はアメリカの国益とは程遠い国になって行きました。
この時点でアメリカ産業界の声に耳を傾け、アメリカ政府と話し合って
いれば情勢は変わっていたと思われます。
しかし日本は鈍感にも輸出攻勢をかけ続けました。結果アメリカの
繊維工場は次々と閉鎖されていきました。そこでニクソンと
佐藤首相の首脳会談で、ニクソンの要請に対して、日本の首相は
「前向きに考えておきます」と外国では絶対通用しない言葉で
答えました。
ニクソンは当然佐藤首相が要請を承諾したと受け取りました。
ところが佐藤首相は日本の産業界の圧力に負けて、自主規制
するどころか、ますます輸出攻撃を続けました。
ニクソンが佐藤に裏切られたと感じても無理のない話しです。
日本人の感覚のにぶさがついにアメリカのトップを怒らしてしまった
のです。
この時点から日本は油断のならない敵国になりました。この時の
トラウマでいまだに一部のアメリカの政治家は日本を信用していま
せん。そしてニクソンの指令を受けたキッシンジャーが登場します。
その時ドイツ系のヘンリー・キッシンジャーは「思い知らせてやるぜ」
と言ったそうです。
裏切り者の日本はアメリカにとってもはや何の価値もありません。
そこでキッシンジャーは敵視していた共産国家中国と隠密でコンタクト
を取り始めました。
彼は秘密裏に中国を何回も訪問し、周恩来首相と会談しました。
1978年中国の経済発展と引き換えに、米中国交正常化が実現しました。
米中国交正常化まで日本は何も知りませんでした。
アメリカは日本を見捨てて中国と共同歩調を取り始めているにも
かかわらず、日本は相変わらず鈍感そのものの姿勢でアメリカを
同盟国として甘え続けていました。
日本のもう一人の鈍感首相 田中角栄は時を同じくして中国を訪問
アメリカの了解無しに日中国交正常化を実現しました。そして中国の
要求どおり台湾を見捨てました。
そこでキッシンジャーはこの小癪な日本の首相を失脚させるために
コーチャンなる人物が何を言っても偽証罪にならない保証を与え
発言させて 一国の総理大臣を犯罪者にしてしまいました。
このロッキード事件の真相は未だハッキリと全容が分かっていません
が、キッシンジャーが仕組んだ工作であることだけは分かっています。
最近のキッシンジャーは「中国がアジア諸国を支配しようとすること
は絶対に許さない」「日本は必要とあらば核を持つべきである、」
「技術的に見て、日本は核を持つ能力が十分ある。日本の立場が
決定的に脅かされたらと感じたら、直ちに核兵器を開発するだろう」
「素直に言おう、日本の方が軍事的に中国より強大だ」といっています。
いまの日本の政治体制からいって核をもつ勇気がないことを、彼は
百も承知で言っています。強大になりすぎた中国を牽制するためです。
基本的に彼は日本の政治家を幼稚すぎると極端にさげすんでいます。
本来このようなセリフは日本の政治家が言うべきです。しかし
このような事を言えば直ちに単純なマスコミに叩き潰されることも
彼は承知しています。
彼はアメリカの国益の為に日本に成り代わっていったのです。
国全体が大きな危機に直面しているにもかかわらず、それにも気が
ついていないこの鈍感な政治家たちに任して日本は大丈夫だろうか、
悲しいかな国の安全について真剣に語る政治家が一人もいない。
今年か来年か、とりあえず今回の選挙は、日本の文化と国益を
守る重大な選挙です。
そして日本人とは何者であるかということが問われる
選挙でもあります。
