ビジネスで直接中国人と接触した人と、単にメディアの情報だけで
中国人を理解したと勘違いしている人との差の深さは埋めようが
ありません。
新聞記者、政治家、大学教授、テレビキャスター、大企業の幹部
評論家、など、中国人と直接 個人的に利害が対立しない人たちは、
中国人の本当の恐ろしさを体験することはありません。
そしてこの人たちの判断基準の根底にあるのは民主国家で育った人
達の人間としての常識です。
当たり前の社会常識を根底において中国人を観察するから「まさか
そこまでしないでしょう、そんな常識はずれをするはずが無い、
日本でも悪い人はたくさんいる、中国人の一部の人が出来心で
したのでしよう」と安易に考えてしまいます。
中国人の歪んだ品性や捏造された中国の歴史については私のブログで
何度も書いてきましたが、実際体験しないかぎり中国人を知ることは
無理だと分かっています。
私が中国でビジネスを始める前 運よく中国でひどい目に会わされた
社長と知り合うことが出来ました。
その社長の話を聞いても、学生時代に学んだ漢籍によって中国幻想の
イメージが既に出来上がっているために「運の悪い人」としか
思っていませんでした。
ところがたまたま買った「醜い中国人」(伯楊著)の本を読んで
衝撃を受けました。それでもまだ半信半疑でした。
その後も中国へ進出した企業人たちにあって情報を収集しましたが
10人が10人とも中国人の「無責任」「不誠実」「自分の過ちを
認めない態度」などに悩まされていました。
そこで私は中国に進出するにあたって、あえて現地法人を作らずに
いつでも逃げ出せるように、「合弁」ではなしに自己流の「合作」と
いう方法を取りました。(現在当社は既に中国からは撤退しています、
過去ブログにもう少し詳しく書いています(5月2日)のブログその他を
参考にしてください)
お陰で失敗もせずに、うまく中国と付き合うことが出来ました。
その後も中国へ出張する時はかならず中国関連の本を携えて,機中や
ホテルで読み漁っていました。
そこで実体験と本の知識によって得たことは「相手を信用しないこと
を前提にしたビジネス」です。
ビジネスの基本は信用ですから、信用しないビジネスとは本来
成り立ちませんが、これは工場運営だけのビジネスですからなんとか
なります。品質と納期だけの問題です。
現地法人を立ち上げた合弁会社ではなく 単に設備を投入しただけの
工場ですから、工場には日本人の駐在人は居りません、工場は
中国国営で,当社は製品を単に輸入するだけです。
商品が仕様書どおりできなかったり、納期が約束通りでなかったら、
次回の発注を止めればいいだけの話です。
中国側も当社オンリーの工場ですから発注を止められたら
干しあがってしまいます。
当初は「最近は給料が高くなったから商品の値段を上げて欲しい」
「機械の数台が調子悪い 新品と換えて欲しい」「車が盗まれた」
「公安が賄賂を要求してきた」「地方政府に新たな税金を要求された」
数え上げたらきりが無いくらい彼らはいろいろと要求してきましたが、
一切聞く耳を持ちませんでした。
この中国の工場は私の工場ではない、法人登記はしていない、単に
設備投資しただけ、たまたま看板は我が日本社の名前を掲げているが、
きにいらなければ,取り外せばいい、当社も別の中国工場に新たに
設備投資をするだけです。(実際はそんな余裕はありませんでした)
中国側もあきらめて その後何も言ってきませんでした。
合弁を採用した日本の会社場合は中国人の要求を全て無視できません、
自分の会社ですから、中国人の給料から経費まで全て面倒を見な
ければいけません、中小企業にとってその苦労たるや想像を絶します。
もっと恐ろしい事は中国政府の法律や規定がころころ変わることです。
契約がいとも簡単に変更を迫られ、紙くず同然に破棄される。
騙されても、法律が守ってくれない、誰も助けてくれない。
最近でも、中国労働法契約法(賃金が下げられない、解雇が出来ない)
というとんでもない法律が出来ました。
そしてハイテク大企業にとって最悪な法律が2009年から導入
されます。「IT製品のソフト設計情報開示をもとめる新制度」です。
ソフトウエアの設計図の開示を要求するというものです。
情報を開示しないと中国国内での販売を禁止するというものです
このような身勝手な法律を作るとは開いた口が塞がりません。
他国の技術を法律で盗むような暴挙を続けていけば世界中が
中国との付き合いを止めていきます。
それでなくても中国食品やその他の製品などに対する不信感によって
各国は中国製品の使用を止める「チャイナ・フリー」現象が
加速しています。
安価な労働力を利用した「世界の工場」の時代は終わりました。
底知れぬ深い闇に閉ざされた中国に、未来の輝ける光りを見つける
事はもはや出来なくなりました。
