昨日は福田首相の退陣に関して彼の念頭になかった「国家とは何か、」
について少し触れました。今日はもう少し深く考えてみたいと思います。
海に囲まれた平和な日本人にとって戦後は「国家とは何か、」なんて
当たり前の事は誰も考えもしなかった。
国家は支配階級が被支配階級を搾取する機関だから「国家は悪」で
あると 子供たちは左巻きの教師から教えられる。
ある有名な国立大学の教授はテレビで「国民を搾取するような国家の為
に命を捨てた戦前の人たちの ようにはなってはいけない」と言った。
そこに居並ぶ著名なコメンテーターや司会者も全員大きくうなずいた。
その中の別のコメンテータが教授の言葉を補足するように
「戦争は国を意識するから起こるのであって、お互い人間同士、どんな
トラブルも話し合えば解決する」言った。
あまりの軽薄さに目が点になった。
この人たちの頭の中には国家という意識がスッポリ抜け落ちて、単に
地球に住んでいる日本人の集団になっている。
政治家も知識人も敗戦による反省が行き過ぎて、なるべく国家という
胡散臭いものを考えないようになってしまった。
結果 中国や韓国、北朝鮮のような国際的ならず者の乱暴狼藉に反応
しなくなり、主権さえもあまり主張しない国になった。
「やたら反応するのは子供であって日本人は文明の進んだ大人である、
話し合えば分かってくれる」という夢物語の怪しげな体質の国に
なってしまった。
日本が戦後 御旗に掲げてきた「平和主義」とやらのホンワカムード
に浸かり「日本が攻めない限り外国が攻めて来る筈がない」、
「憲法9条がある限り日本は平和である、」「我々は日本人である前に
地球市民である」とまるでアニメニ登場するような軽薄な国に
仕立てあげてしまった。
竹島が韓国に実効支配されても政府はなにも言わない,尖閣諸島に
対して中国が領有権を主張しても抗議しない、
領土が次第に外国の手により侵食され、かすめ取られていくのを
指をくわえてみているだけ。
なにかというと「相手を刺激させない、相手に配慮する、話あえば
分かる、」こんな幼稚な国は世界中探しても日本国以外存在しない。
国のリーダーであるべき政治家が「国家とは何か」、「主権とは何か、」
を全く理解していない稀有な国です。
すこし昔を振り返ってみましょう。
私はブログのなかで何回も書いてきましたが、日本国が誕生する前
朝鮮半島や大陸から来た人たちと渾然一体となって暮らしていました。
当然そこには日本人という意識も国境という概念もなかった。
ところが大陸では唐が興って隋が滅びた、唐は朝鮮半島を支配下に
おいた、そして今度は倭国(日本)に脅威が及んできた。
このままだと朝鮮半島同様に唐の支配下に入ってしまう。
そこで遣唐使も廃止して中国に対して国交を閉ざした。
日本に住んでいた人たちは、中国の脅威に備えるために一致団結
して倭国から日本国に変わった。
「日本国の誕生である」
このとき初めて国家を意識し、日本国民を意識した。その後は
日本は明治維新によって国家意識、日本人意識がこの日本列島に
確立された。
当時 薩摩藩は鹿児島湾に来襲した英国軍艦の砲火で度肝を抜かれた。
長州藩もイギリス・フランスに大惨敗した。彼らはこのままでは
日本は外国の殖民地にされてしまう。
この意識が長年の平和で老人ボケになっている徳川幕府を倒す
きっかけになり、そして明治維新を迎えた。
幕末から日清、日露の戦争を経て、第二次世界大戦で負けるまで
喰うか喰われるか、という緊迫した世界状況の中で我々日本人は
強烈な国家意識を持つことが出来た。
ところが戦後アメリカの日本弱体化戦略によって、国家を守る意識
が完全に消されてしまった。
この心の隙を利用して中国は工作という卑劣な手段で日本を侵食
し始めた。正面から攻めていけば日本人の国家意識を目覚めさせる、
それより彼らは心や脳の中に入り込んで日本人を中国ゾンビに
していく。
中国共産党は日本を目覚めさせ、怒らせば日本人の真の強さを
よく分かっている。原子爆弾を50個くらいは直ぐに作れる技術も
ある、その資金もたっぷりある。
なるべく怒らさないように日中友好、互恵関係、隣人同士,一衣帯水、
などの言葉を使って政治家やメディア、知識人、平和主義の善意の
人たちの心の中に入り込んで、中国ゾンビに染めていく。
78年に訪日した小平は尖閣諸島の領有権を「棚上げ」しようと
提案、トラブルを避けたい日本政府は直ぐに飛びついた。
それ以降 中国との交渉は「棚上げ」「先送り」専門、毒餃子事件で
主権を侵され、東シナ海ガス田問題でインチキな共同開発で合意、
この国は主権や権益を失うことよりトラブルを避ける事が
最優先される。
中国は東シナ海を「友好の海」にしようと提案、トラブルを避けたい
首相も外務大臣も喜んで国益を海に捨てる。
最近の中国は「沖縄はもともと中国の領土である」と言い始めています
この国はもう一度「国家とは、主権とは」何かを学習しないと、
そのうち最終的には領土をかすめ取られてしまいます
