専門は日中比較研究である。
中国人が日本と対比しながら中国人
を論じると、日本人の多くのは、「さもありなん」と思ってしまう。
しかしこの教授の知識や思考は完全に日本で手に入れた知識である。
中国で勉強してきた知識ではない、日本の書籍を熟読して、いかにも
中国ですでに勉強してきたかのごとく、中国人の性格や歴史を
論じている。
この教授は学生時代に 捏造された中国の歴史を学んで日本に
やってきた。彼の経歴を見れば中国大連で日本語学部卒業と
書いてある。
日本に来て中国歴史を学んだ、それも学者が陥りやすい漢文を中心に
勉強したに違いない。
この中国の教授を批判する前にまず 中国の歴史学問上の現状を
お話します。
はっきり言って中国には過去を知るべき古文書があまりない。そんな
バカな とお思いでしょうが、事実なのです。
中国では権力者が変わると以前の文章は全て焼き払われる。征服者
は常に人種の違う異民族ですから、以前の歴史はまったく価値を
もたない。
金目の物以外は何の価値もない、古文書など邪魔になるだけである。
秦の始皇帝以来、焚書(書物を焼き払う行為)は当たり前の事なの
です、始皇帝は焚書だけでなく学者(儒者)まで、穴埋めにして
殺してしまった。(焚書坑儒)
始皇帝の焚書は少し意味が違います。彼は儒者が邪魔だったのです。
近代では毛沢東が、秦の始皇帝とまったく同じように、焚書坑儒を
やり、知識人や金持ちの商人を殆ど殺してしまった。
一部の知識人や商人は、 ほうほうの体で香港に逃れた。
ところが皮肉なことに日本では昔から中国の研究が進み
あらゆる資料が整っていた。
あの有名な魯迅が日本に留学して、日本語をマスターすることによって
日本にある中国歴史書に接した、そして驚嘆した、祖国中国では絶対
に知りえない中国の歴史を知った。
この時代に魯迅と同じように中国人が数万人留学生として日本にやって
きた、彼らは魯迅と同じように日本で祖国の歴史を知った。
そして日本人が作った漢語を借用して、新知識を中国に紹介した。
そのことによって中国は近代文明の入口に立った。
日本語を学んだ中国の知識人たちは、徹底して日本を模写した。
現代使われている中国語が、文体もボキャブラリーも日本語からの
借用であるという事実を中国は隠してしまった。
残念ながら日本人も知らない。
話を先ほどの中国人教授に戻します。
教授の書いた本を一冊丸ごと批判するには私のブログでは不可能です。
そこで一部を抜粋して論じて見ます。
彼は歴史認識の違いで中国が日本を攻め立てる言い訳を長々と
書いていますが、次の一文で思わず笑ってしまいました。
「中国国民の精神性において、歴史は非常に重い、中国人が
「歴史認識、歴史認識」としつこく迫るのは、歴史というものをとても
重く見ているという文化的な背景による」
普通の人は、「そうなんだ」 と思ってしまいますが私のブログの
教養のあるコメンテーターは、私と同じように笑ってしまったと
おもいます。
歴史を捏造して政治にしか利用しない国で、「歴史が非常に重い」とは、
またこの教授は中国人の愛国心について、次のように述べています。
「中国における愛国の始まりは、四書五経のひとつに出てくる有名な
言葉『修身斎家治平天下』と考えられる。
自分と国を大切にすることの重要性が述べられている。こうした
考え方は、以来、中国国民に脈々と受け継がれてきている。日本人に
大和魂があるように、彼らには中国魂がある。それが愛国心だ」
この教授に教わっている日本の大学生は、この大嘘を信じてしまうの
でしょうか?
わたくしのブログで何回も解説しているように、中国は、異文化、異言語
の人々の寄せ集めである、いまだに上海人は上海語を話し、広東人は
広東語を話す。
歴史上 常に異民族が支配した国、一民族としての中国人は一度も存在
しなかった、このような国で2000年以上前の儒教の経書である
四書五経が、「中国国民に脈々と受け継がれてきている」とは中国人を
買いかぶりすぎである。教授は中国人であるから仕方がないが!
漢文も読めない人々がどうして脈々と受け継いできたのですか?
教授の次の言葉「孔子以来、2500年、中国人にとって昔から、
学ぶことは愛国のためのものだった」とは この教授は自分の
国の歴史をあまりにも知らなすぎる。
中国人は、歴史始まって以来、周辺の民族と多少混ざっても、中国人
としてのアイデンティティーを持ち続けてきた と教授は思っているに
違いない。
魯迅は日本留学によって知識を総入れ替えしてしまった、
そのことによって彼は2千年来 中国人がなにも進歩していないことに
気がついた、そして中国人を皮肉った「阿Q正伝」という小説を
かいた。
この教授は魯迅のようにならず ひたすら中国を弁護することによって
プライドと大学教授の地位を守っている。
教授の略歴を見ると、一流大学の教授を歴任、朝日新聞客員研究員、
その他多くの委員会を歴任しています。そのうえ総理大臣の私的諮問
機関の委員までしています。
日本の大学には多くの中国人教授が存在しています、なぜ簡単に
大学教授になれるのか、日本人の中国崇拝は学者ほど呪縛に
かかっています。
中国人が中国人を まったくわかっていません。
わかればわかるほど、中国人のアイデンティティーが消えていきます。
まさにアイデンティティー・クライシス(自己認識の危機)に陥ります。
