私の拙い知識で中国人を解明するなど、おこがましいですが
とりあえず日本人が勘違いしてしまった中国像だけでも
取り払いたいと思います。
私が20年以上中国でビジネスをした経験上からの皮膚感覚を
土台にして解き明かしたいと思います。
長野の異様な聖火リレーを見て日本人のほとんどは中国の常識が
我々の非常識になっていることを認識したと思います。
4000人の中国留学生を沿道に集結させて、赤い中国の旗を振り、
チベット応援団に怒号を浴びせる様は、恥の文化を持っている日本人
の感覚からすれば、耐えられるさまではありません。
しかも中国政府は「中国人留学生が起こした大規模なデモが、海外の
反中勢力に大きな圧力になった」と高く評価した。
しかし現実は世界中の人たちは中国の指導者は責任ある大国としての
国際協調行動が取れない国だと学んだ。
私もビジネスで学んだ中国観は、日本人が想像も出来ない行動原理に
よって動く人々が、この地球上にいるということを知りました。
つまり、日本人と中国人とでは人生哲学が決定的に違っている、
この哲学の相違こそ彼らの行動を解く鍵です。
日本の親中派の政治家が、中国がどのような国なのか、
どのような国民性なのか、全く勉強せずに、「友好」という言葉を
簡単に使うが、愚かという言葉しか思い浮かばない。
金曜日のブログにも書きましたが、日本人は中国の歴史物語を読んで
中国に対して特別な思いを抱いてしまった。
一部の評論家は最近の中国をみて「徳も仁義も忘れてしまったのか」
と書いていますが、もともとそんなものはひとかけらもない人種
なのです。いやみで言っているのではなく、漢文を読んで育った
日本人の大勘違いなのです。
漢文に書かれていることが真実であると、無邪気に信じ込んで
しまったのです。
そして明治以降、多くの日本人は漢籍を通じて身につけた
中国イメージに未だに幻惑されています。
日本人は漢文イコール中国語と思っていますが、これも全くの
誤解です。少なくとも、この二千年間というもの、漢文は中国語と
まったく関係がない。
特に日本人に一番、影響を与えた「三国志」は、紀元前280年
頃の話で、明の時代に「三国志演義」として創作されたものです。
ところが日本人の多くがこの記述を史実であると思い込んでしまった。
日本人が長く影響をうけ尊敬している儒学の創始者「孔子」は
紀元前500年ころの人です。日本ではまだ弥生時代です。
紀元前の時代の中国人を現代中国人とダブらしてしまった。
だから漢文をいくら読んでも、現在の中国人を理解できないのも
当然のことなのです。
我々ビジネスマンも論語に書かれている『信なくば立たず』という
言葉を商人道の基本において商売をしてきた、しかし孔子の国
中国ではまったく無縁の世界であるということが思い知らされた。
日本人は中国人に会う前からイメージをふくらませすぎていたため
そのギャップの大きさに混乱してしまったのです。
それでは中国人が中国を意識し、国家という概念をもったのは
いつからだろうか?
次回はこのことについて考察したいと思います。
