米国の素早い対応
(昨日からの続きです)
サブプライム問題で急速に信用収縮した米国は次々と対策を
打ち出した。
昨日のブログで日銀の対応の遅さに疑問を呈しましたが、米当局は
信じられないスピードで利下げして、同時に減税政策を実現しました。
米国は財務長官やFRB議長が一体となって米経済の舵を取ります。
ところが日本は1998年日銀法改正によって独立を果たした日銀と
政府が対立して方向が一致しません。
日本の不況がこれほど長引いたのはとても偶然とは思えない。
デフレがひろがるにつれて、金融政策が長期不況の原因だと誰もが
気づき始めた。
しかし不況は日銀の政策でなく経済構造のせいだと主張、そのうえ
デフレは望ましい構造改革のせいであり、よいことなのだと反論した。
もと日銀の植田和男審議官は「日銀に対して「量的緩和」策を求める声は
多かった、しかしながら、こうした主張は当時の金融政策に関する十分な
考察に基づいていたとは言いがたい。短期金利ほぼゼロの中でマネー量の
を増やすのは、正しくない」と締めくくった。
はっきり言うなら「何もしないのが正しい」と彼は言っているのと
同じである。
「流動性の罠」に深くはまってしまった日本はドラスティックな政策を
打ち出さない限り,そこから絶対に逃げだせないと思いますが。
要するに日銀マンは無能なのか、賢いのか、私には判断できません。
対比するために韓国の中央銀行のことについて考察します。
2004年韓国中央銀行総裁に韓国政府がウオン高対策で紙幣を発行し
為替市場に介入してくれるように要請した。
このとき韓国当局は「中央銀行には紙幣の発行という手段があるため、為替
市場への介入財源は無限」と発言した。
私はこの発言を聞いて素人集団かと仰天してしまった。
市場にウオンが溢れウオンの暴落に気がついた韓国中央銀行は慌てて
通貨安定証券を発行して、市場からウオンを回収した。
2007年時点で通貨安定証券の残高は157兆ウオン、年間利子負担
だけで6兆ウオン、巨額に膨れてしまった。
利払いのために毎年海外から短期借り入れを繰り返しています。
それでなくても借り入れが多すぎる韓国で余計なことを中央銀行は
してしまった。
この場合はっきりとお馬鹿さんといえます。
しかし日銀の場合どちらなのか、あえて言うなら賢いお馬鹿さんと言わして
もらいます。
さて今度はアメリカに話を戻します。
アメリカは他人の金を借りて消費してしまったというバブルの罪を
償わなければならない。
サブプライム問題で銀行は競い合うように不良債権による巨額損失を計上
天上知らずで上がる食品・石油価格は家計を圧迫し、多くのエコノミストは
アメリカの景気後退が長く続き、奈落の底へ落ちていくといっています。
しかしアメリカ経済とドルを見くびるのは早すぎます。
アメリカが魅力的な投資先であることは今後も変わりはない。
まず金融市場は世界で最も大きく、流動性が高く、発達している。
だから今回も経営難に陥ったアメリカの金融機関に巨額の資金がつぎ
込まれた。投資先としての魅力が世界の膨大な余剰資金を引き寄せます。
アメリカを崩壊させて得する国は一国もありません。
バーナキンFRB議長の打つ手は迅速です。最高の切り札公的資金投入を
匂わしながら、市場に安心感を充満させます。
さて賢すぎる日銀さん日本は何をすべきか策を発してください。
あなた達は賢すぎて他者からの批判に鈍感になっていませんか、
あなた方の頭の固さには絶望すら感じます。
「円の支配者」日銀様へ 4月3日
コメント
全くそのとおりだと思います。
不景気とデフレに関しては、日銀の責任も大きいと私も思いますが、なぜか政府の責任ばかりが喧伝されています。政府から独立した立場を手に入れた以上、責任も厳しく問われるべきなのにメディアはあまり言いませんね。
コメントの投稿
投稿コメントは承認後に表示されます。紳士的でないコメントは承認しかねますのでご了承ください。
トラックバック
- トラックバックURL:
- http://kkmyo.blog70.fc2.com/tb.php/230-e18318c5