世界の潮流

「世界の潮流」とは大げさなタイトルだが、2008年の世界経済を
少し考えてみたいと思います。

日本の経済学者やエコノミストの10人のうち9人まではドル崩壊
と予言しています。
副島隆彦氏は「やがてドルは暴落し、円は80円、そして金融恐慌が
世界を襲う!」「アメリカが衰退し、中国が超大国になる」とまで言って
います。

この考え方はここ最近エコノミストの主流をしめてきました。
しかし15年以上前からアメリカ崩壊は経済学者の飯の種になっています。
1991年に国際経済評論家江戸雄介氏は「アメリカが倒産する日」という
本を出しています。

もう一度読んでみますと、これだけ経済状況が違うのに今日のアメリカ崩壊
の内容とそっくりです。20年近く前の江戸雄介氏の本は「アメリカの
倒産は確実に近づいている」「ドルは紙くず同然になる」と言い切って
いましたが、あれから20年たったいまでもアメリカは繁栄し続けました。

確かにサブプライム問題をきっかけにドルの信用力が落ちてきたことは
事実ですが、このままアメリカが衰退していくとはとても思えません。

日本のマスコミやエコノミストはいつも悲観論で不安ばかりあおります。
日本のバブル崩壊時の論調も暗いものばかりで、日本発の世界恐慌が
起こると吹聴していました。

彼らの間違いは日本のGDPのわずか5%の金融業界の数字だけ見て
「日本は危ない」と騒いでいました。
今回のアメリカのサブプライム問題も傷ついたのは
金融関係中心です。評論家はいつも森を見ず木だけ見て講釈を垂れます。

サブプライムローンを証券化した証券に投資した投資家の問題であって
他のセクターに波及しているとは思えません。もちろんアメリカの景気は
一時より減速傾向にありますが、これくらいのことでアメリカ経済が
崩壊するほど柔ではありません。

ドルの下落は巨額の米経常赤字の縮小につながり、各国のドル資産の
目減りにつながります。アメリカにとってむしろ歓迎すべき現象です。
今後問題が生じるほど大幅下落はありえません。

日本のエコノミスト達は10数年前から「アメリカの巨額の双子の赤字には
すでに限界が来ている」と、いかにも崩壊しそうなことを言いますが、
N Yの世界で唯一の金融センターが機能している限り双子の赤字は何も
怖がる必要はありません。

アメリカは、政治が行政を完全にコントロール
しています。必要に応じて資金が自由自在に動かせて、ドルの印刷も
政府の自由です。

そして世界のお金というお金がアメリカに集まってきます、前議長の
グリースパンの巧妙な手品です。

お陰で各国は自国の経済を、米国際経済に統合させていく以外の選択肢
はありませんでした。日本のエコノミストの間違いはアメリカ経済を従来の
尺度で測って論じています。そして

各国はドル安の不安にかられて一部ユーロにシフトしだしました、
結果EUが過大評価され始めてきましたが、ユーロは絶対に世界の基軸通貨
にはなりえません。何故ならヨーロッパは通貨を統一しても、単一の
巨大市場になりませんでした。

EUのGDPはアメリカの70%です、日本よりちょっと多いだけです。
ヨーロッパでは統合してもアメリカに匹敵するような
巨大市場になりません。歴史の古い国の集まりだから、各国の風俗習慣
があまりに違いすぎて規格を統一できません。

例えばパン一つとっても国どころか町ごとに違う、だから一つの商品の販路
を欧州全体に広められない、結果市場が小さくて量産できない。

そのうえ中世以来必ず中小企業の背後にはギルドという同業組合が
存在しています。労働力の移動を阻止する労働ギルドまであります。

このような状態でアメリカに匹敵するような巨大市場になりようがないが、
ところがすでに基軸通貨の25%がユーロになってきました。

これは単にドルに対してのリスクヘッジの役目で、おそらく30%を超える
ことはないと思われます。

アメリカと日本の二国だけで世界のGDP46%をしめています。
日本のハイテク製造業とアメリカの金融が世界を支配しています。

アメリカ経済はGDPにおける製造業の割合は19%をすでに切っています。
反対に金融を含めたサービス部門が60%近いです。

アメリカ金融証券業はこれからもますます発展をつづけます。

このような状況下の中でアメリカ経済が崩壊するなどありえませんし
ユーロがドルに変わって基軸通貨になる事もありえません。

今日は少し長くなりましたが、私の素人皮膚感覚の考えで書いてみました。
























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