今回も台灣友人の話です。話の最後の方はすっかり彼の話を信じるように
なっていた。その話を書いてみます。
昔の私は漢籍を通じて、中国には漠然たる親近感を抱いてきた。まして20年
以上も中国で商売してきたために、中国人のすべて知ってしまったように錯覚
していた。しかし台灣友人の話をきいてネクタイを結んだ中国人(権力を握った
中国人)について、何も知らないことがわかった。
もちろん中国人の品性は、平凡にして狡猾、低劣にして傲慢である。ほとん
どの民衆はいつも飢餓の線上でもがき,死生の縁でさまよっている。
生を求め、命を保つためには、互いに欺き、騙し合う、生きていくためには、
いかなる悪徳非道なことでもやる。という私の中国観は変わらない。
しかし彼のネクタイをした中国人の見方を聞いて納得。つまり共産党員と
庶民とは全く違う、全国民の約8%が共産党員である。そのうちの権力を
握っている共産党員たちは。現実の立場と利害を超越する論理的な思考
能力がない。習近平の行動を見ていると全くその通りである。
中国の発展は外国企業の投資によって発展した、ところが危険を感じさす
スパイ法の強化を打ち出した結果、外国企業が逃げ出した。そこで私は
習近平の能力の低さを主張したが、習近平の狙いは人民解放軍の長老
たちです。
つまり中国において軍の力が強くなり、彼らの意向を無視しては何も決めら
れない状態を打破するために、「反スパイ法」の強化を打ち出した。
中国国営企業の100%近くは人民解放軍が経営している。その国営企業
が法律によって外国企業の技術を手に入れたが、技術進歩のスピードが
早すぎて、人民解放軍は危機感を覚えたのは言うまでもない。
特に最近では次世代の半導体の技術を手に入れなければと焦っているが、
中国が半導体技術を手に入れるためには韓国のサムソンを逃がすわけに
はいかない。半導体トップメーカーを有する米国、日本、台湾に加えて、
欧州もドイツにIntelの工場を誘致するなど、世界中で次世代半導体の
開発が加速しているが、中国は蚊帳の外である。
中国の最高権力者になった習近平は思い道理にならない人民解放軍に「ごま」
を擦るために、外国企業が「脱中国」の加速を早めることは分かっているが、
反スパイ法を強化した。
そのことによって多くの外国企業は資本を回収せずに逃げだす、結果合弁の
国営企業が丸儲けすることによって人民解放軍を喜ばすことになる。
習近平の真の狙いは共産党内で軍の最も強力な権力機構となった党中央
軍事委員会を廃止し、習近平が自由になる国家軍事委員会に移管すること
によって軍の力を弱め自分の思い道理することである。
何しろ台灣統一は中国の憲法にも明記されており、誰も人民解放軍の行動
に反対することはできない。しかし習近平は本気で台灣と戦争するつもりは
まるでない、なぜならアメリカ軍に勝てる見込みはないからです。
外部から見ていると今にも台灣を攻撃するように見えるが、中国では、強硬
な態度を取らないものは弱虫と見なされ、自分の身が危ない。これをやらせ
ているのは軍である。
軍の指示には習近平といえども逆らうことはできない。
はたしてアメリカが、このことをどれだけ読んでいたかは明らかでない。
