2月14日のブログ「とっくに危機なのに崩壊しない中国」の続きを書いて
みます。
中国に対する国際社会の見方はいつも極端に走っています。2014年までは
「中国はアメリカを抜き、世界で最も強大な経済大国になる」と多くの
評論家が主張していたにもかかわらず、2015年から中国崩壊論が主流を
占めはじめる始末です。
なぜ評論家は、ここまで極端から極端まではしるのか?
その原因は中国が発表している数字があまりにもウソが多すぎることです。
評論家はその数字をみて机上で考察するから真実が見えないのです。
もう一つには国際社会における中国政府の度重なるルール無視にあります。
中国に対する国際社会の大きなブレの原因を作ってきたのはIMF(国際通貨
基金)の間違った発表です。2011年のIMFのレポートが「中国のGDPは
5年後にアメリカを追い越し、2016年には中国の世紀になる。アメリカの時
代は終わった」と発表しています。
日本の愚かな評論家たちは共産党の役人たちが公共財を略奪し、私腹を肥や
し、賄賂で太った中国の金持ちや中産階級の人たちが世界中でぜいたく品を
買い漁っているのを見てこのIMFの発表を信じてしまった。
しかし私は中国にはもともとアメリカを超える可能性は100%存在しない
というのが私の考えです。スモッグに汚染された大地、真っ黒な河川,枯れ
果てた湖や沼、毎年10万件以上の農民の暴動、貧乏人は日々の暮らしさえ
おぼつかない、その上仕事のない数億の失業者、この国のどこにアメリカを
超えるパワーがあるというのですか?
アメリカの政治学者が以前中国の腐敗した政府を「盗賊型政権」と呼んで
いました。まさに共産党役人は厚顔無恥にも公共財と民間財を略奪すること
になんの罪の意識も持っていません。
IMFは中国の実体をあまりにも知らなすぎる。2011年のIMFレポート
「2016年には中国の世紀になる」など呆れて物も言えない。もともとIMF
は欧州よりの機関と言われていますが、出資額の1位はアメリカ17.5%、
2位は6.5%の日本です。欧州のドイツ、イギリス、フランス、イタリアの
主要4国を合わせてもアメリカの出資額には及ばないにもかかわらず歴代の
専務理事は常に欧州から人選されています。
2011年7月に専務理事になったフランスンのクリスティーヌ・ラガルド氏
は中国の人民元がSDRに採用されるのをリードしました。つまり中国の
ロビー活動にラガル専務理事を筆頭に欧州加盟国理事たちが負けてしまった。
中国のSDR入りを認めるには、資本の自由化、人民元の変動相場制への
移行など、金融市場の改革を進めなければならない。しかしどう考えても
無理がある。中国の外貨準備が公称値の三分の一程度しかないのだから、
実際は債務超過に陥っている。短期債務等を考えると、中国の外貨準備は
ほぼ無いに等しい。
もし中国が非常事態になった時、米国がドルを融通してくれるとは、とても
思えない。米国、日本、スイス、イギリス、ユーロの五大中央銀行は一応
無制限のスワップ通貨保証契約を締結しているので、ドルが足りなくなった
非常時には米国(FRB)から調達できますが、しかし人民元にはその契約が
なされていません。ということは中国が資金ショートになった場合には、
中国の点心債(人民元建債権)などには買い手が付きません。完全にアウト
です。
それを見越して中国からのキャピタルフライトは最近の1年間に1兆ドルに
も加速しています。一般の中国人までもが必死になって人民元からドル、
あるいはドルに完全ペッグしている香港ドルに替えたがっています。
このような中国の地獄の有様がドイツ、フランス、イギリスは何故見えない
のだろうか?
26日の産経新聞に「『習近平続投へ改憲案』任期制限を撤廃する憲法改正を
決めたことで習氏、権力集中へ」の記事を見て自国の実体を何も見えていな
いのは実は習近平だということが分かりました。
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毎日、平昌オリンピックで熱くなっています。羽生結弦選手が銀盤上に高く
飛ぶたびに転倒しないよう神に祈る気持ちで見ていました。そして着氷ごと
に胸が締めつけられます。
彼は金メダルを取った後も前も常に感謝の気持ちを口にしています。東日本
大震災で避難所生活を経験している仙台出身の羽生は「応援してくれる被災
地の方々に、演技で恩返ししたい。自分のけじめとして、表彰台に上がらな
いといけない」と発言しています。
彼は著書の印税全て約2千万を被災地に寄付をしています。感謝の気持ち
を行動で表すこの美しい若者を神様はほっとくはずがない。
またスピード500で金を取った小平奈緒選手もやはり「私を支えてくだ
さった多くの方にありがとうと伝えたい」と感謝の言葉を述べています。
我々一般人は大きなことが出来なくても、毎日の生活を感謝の気持ちで
生きたいものです。だが、生きているが、ただ人間として呼吸している人が
なんと多いことでありましょう。
自分の環境を見渡した時、何のために生きているのか、何をするのか、
どこへ行くのかということが自然に見えてきます。何をなすべきやということ
を本当に知りえた者だけが、生きていることの喜びを感じ、感謝の気持ちが
自然に湧き起ってきます。
人生の意味を知らせてくれる真理は、家庭の中や社会生活の中にあります。
道はまことに近くにあり、何処にもあります。ただ心亡き者は、ちょうど
ハシがご飯やおかずの味を永遠に知ることのないように、人生の中にいて
人生の味と価値がわからないで死んでいきます。
人間は、この有難さや感謝を味わうということで、人生を尊く、深く味わ
うことが出来ます。五のものを十に、十のものを二十に深く味わっていく
のです。この深く味わう心なくば、十の生活をしていながら感謝を知らな
いために永遠に不満な生活を続けていくのです。
常に感謝の心を忘れないで生きたいものです。
幸せは身近なところにあります。
(今日は中国問題を少し離れてみました。)
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前作からの続き
さて本題に少し入ってみます。崩壊国家の定義とは
「崩壊国家とは、国家機能を喪失し、内戦や政治の腐敗などによって国民に
適切な行政サービスを提供できない国家のことである」と書かれています。
また別の項目では、「政府の無力、腐敗によって行政が機能しなくなり、警察、
医療、電気、水道、交通、通信等の社会インフラストラクチャーが低下する。
中でも治安は急速に悪化し、給料の遅配等により軍隊や警察では職場放棄や
サボタージュが発生する。暴力装置たる兵士や警察官が、自ら犯罪を実行す
る事態が起こる。この治安の悪化により、生産力と国民のモラルが低下する。
農民が土地を捨てて難民化し飢餓が蔓延したり、略奪などが日常化したりす
る」と書かれています。
しかしこれらは中国の地方においては全て当てはまるが、大都市では当ては
まらない箇所があります。これら崩壊をもたらす要素は、中国ではどれ
もこれもとうの昔から存在しておりただちにそれが共産党政権を終焉に導く
わけではありません。
それでは何故2015年を境に、中国にたいする世界の見方は「繁栄論」から
「崩壊論」へと180度転換したのだろうか?
我々民主国家の常識で言えば企業も国も資金が枯渇すれば直ちに倒産
する。中国がいくら数字をごまかしても、国家や企業が破綻する原因は赤字
ではなく間違いなく資金ショートです。その意味からいって中国の外貨準備高
は、ここ3年急激に減少しだした。
2014年に3.6兆ドルあった中国の外貨準備高は2015年実際に中国当局が
使える外貨は1兆ドルをはるかにきっていたとの新聞報道もあります。
また2015年の9月、日本国債が中国投資家により大量売却されたという
報道もありました。つまり中国が外国資産を売却するのは資金ショートを
防ぐ為だと思われます。
外貨準備がまだ1兆ドルもあるのに、資金ショートなど起こるはずがない、
と思われますが、しかし中国の借金額は1兆ドルどころではないと言われ
ています。短期債務等を勘案すると、中国の外貨準備はとっくに枯渇して
いると推測できます。
日本の一部の経済評論家は中国土地の今までの値上がりは外国企業の
投資だと言っているが、まともな投資家は個人資産にならない危険な国の
土地に投資などしない。投資するなら金融や一部証券でする、何故なら直ぐ
逃げることが出来るからです。
2015年から巨大なキャピタルフライトが起きているのは外国投資家が中国
の金融諸品を売り逃げしているからです。ドルが枯渇するのも当然なこと
です。
外国人が危険な中国に投資したのは、基本的に人民元がドルペッグで為替
リスクがないためです。米国で金利2%で調達したお金を、為替が変動しな
い中国で5%~8%の投資商品に回すと、中ザヤの3%~6%が抜けます。
まさに笑いが止まりません。
しかし人民元がドルペッグから乖離していくと中国の金融商品に投資家たち
は見向きしなくなります。なぜなら人民元が投資リスクをともなう存在にな
るからです。だからどんどんキャピタルフライトが起きているのです。
新聞報道によれば国際貿易通貨としての決済額はアジアやアフリカにおいて
「円」は「人民元」に抜かれていると報じられています。
しかし長年貿易をやってきた人間として言えますが,円より人民元の方が
信用があるというわけではない、それは人民元がドルペッグしているからです。
したがって人民元が完全な変動通貨、自由通貨になったとき、もう誰も人民
元など見向きもしなくなります。
だから中国は国際通貨として認めてもらうために、IMF(国際通貨基金)の
SDR(特別引き出し権)に採用されるように猛烈なロビー活動をしました。
結果採用され人民元が国際通貨のお墨付きをえました。
中国は人民元をSDRの構成通貨にして国際化させないと、現在の借金生活
を続ける事が出来ないからです。
しかしなぜ英国とドイツが崩壊寸前の人民元をSDR入りに賛同したのか!
また反対している米国がなぜ否決しなかったのか、賄賂だけの効果とも思え
ませんが!米国が否決しなかったのは、あえてSDR入りを先行させることで
中国に通貨政策の改革を迫ったからだと思われます。
いわゆる人民元は資本主義の必要条件をみたす金融市場での自由な取り引き
や他の通貨に自由に両替等など「法の支配」といった要件を満たしていません。
中国は各国政府の準備通貨になったが、資本取引も為替相場も自由化されて
いません。
中国が国際通貨の必要条件とするこれらの事を達成し、金融機関に政府が介
在しないとする資本主義の要件を満たせることをすれば中国は確実に崩壊し
ます。中国は共産党資本主義の矛盾にまだ気が付いていない。もしこれらの
事をしなければ世界経済への影響はほとんどありません。
米国もおそらくこのことをよくわかっていて、腹の中で笑っていたと思われ
ます。
人民元は「ドルとユーロとの3極をになう通貨になった」「中国が経済強国
になったことを世界が認めた」など鼻高々ですが、米国は「米ドルの地位を
脅かす」ことなど100%あり得ないと安心しています。
それよりも巨額な不良債権を抱える中国経済の危険性に米国は警笛を鳴ら
していますし、また国際決済銀行(BIS)が「中国は3年以内に金融危機に
陥るリスクがたかまった」と言っています
いずれにしても中国は人民元がドル、ユーロ、円、ポンドに続く5番目の
「国際通貨」になって事で、逆に上記の共産党資本主義の矛盾を解決する
手段を失くしました。中国は自分の首を自分で絞めたのです。国際経済の
知識と経験のない中国の悲劇です。中国はやっぱり中国です。
(続きは次回にて)
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前回からの続き
中国がとっくに危機状態なのに何故崩壊しないのか、これを解説するには
一般の経済学を超えた視点が要求されます。はっきり言って机上の学問では
無理があります。なぜなら中国経済の数字はすべて粉飾されている粉飾型
経済だからです。
私は経験型であまり本は読みませんが、たまたま空港で副島隆彦氏の著書
「あと五年で中国が世界を制覇する」(2009年発行)という表題が目に留ま
りつい買ってしまいました。夜ホテルの一室で読んでいるうちにあまりの
幼稚さに気分が滅入ってしまいました。
彼の著書から特にあほらしいと思ったことを一部抜き抜き出してみます。
「中国にたいして危機感まる出しで、悲壮感をみなぎらせて叫ぶ人々が出来
ている。しかし、この人々の愚かさというか、思慮の足りなさこそ、私は憂う。
それなら、どうして今のうちから中国を大切にして、中国人になるべく多くの恩
義を売っておかないのですかと私は考える。中国は恩義に報いる民族である」
もし副島氏が中国人とのビジネスの経験があるなら、こんな愚かしい、思慮の
足りない文はとてもじゃないが書けない。この本にはグラフや数字がいろいろ
出てくるが本を権威づけるだけ、知ったかぶりをしているだけです。
本の全てがあほらしすぎるのでいちいち抜き出すのはやめますが、この本で
の彼の結論は「中国はやがて共産党独裁を廃止して民主国家になる。ウイグ
ル人も、チベット人も台湾人も、いじめないで彼らに大幅な大きな自治権を与え
て中国体制を平和的に支える周辺民族として手厚く処遇すると決めるだろう」
あまりにもあほらしすぎて、空いた口がふさがらない。中国の野望がまったく
見えていない。
この本のあとがきで、「中国は、いよいよ平和の帝国になりつつある」と書かれ
ています。そして副島氏は本書を書き上げるために、香港、広東省、上海、南京、
北京、瀋陽、丹東、大連への調査旅行をしたと、しかもこの旅行は編集部員と
ずっと一緒に付き添ってくれて本書を完成に導いたと書かれています。
いったいどんな調査旅行ですか、たんなる観光旅行をしただけでしょう。
こんな通り一遍の事で中国の正体が見えるはずもない。
副島氏が普通の感覚をお持ちでしたら、彼が本の中でお書きになっている
「中国は恩義に報いる民族だとか、いよいよ平和の民族になりつつある」等
の低レベルの文章は書けなかった。
一度ここ50年の中国歴史を検証してください。中国国民3千万人を虐殺した
毛沢東時代から改革・開放路線を打ち出した鄧小平時代以降今日までを
ふり返れば中国の正体が見えてきます。
中国は毛沢東の階級闘争から、鄧小平の経済成長こそ中国を発展させると
「社会主義市場経済」なる、呪文を唱え、国営企業をどしどし開放して合弁
事業としました。殺し文句は「中国には12億の巨大マーケットがある」と
先進資本主義はこの言葉の巧妙なトリックに気が付かなかった。
これは先進国の資本と技術をただで入手するために考え出した鄧小平の罠
です。何しろ中国には老朽工場と低賃金の労働者は大量にあります。ないの
は資本と技術です。鄧小平の改革・開放路線を受けて、先進国は経済支援を
積極化させ、資金や技術を供与しました。アメリカの大手企業の7割が中国進
出、ヨーロッパも積極的に中国に進出しました。結果中国は努力せずに製造業
を発展させ、世界の工場すなわち世界の下請け工場になりました。
特に日本は政府の後押しもあり約2万社の大小の企業が進出、家電や自動車、
鉄道、建設とあらゆる製造業が進出して技術援助をしました。そして日本政
府はODAと民間も含めて10兆円以上の資金援助をしました。
しかし中国の答えは感謝ではなく、尖閣諸島周辺の危険な行為や度重なる
反日デモと日本企業への襲撃や、歴史の捏造などで日本を苦しめています。
副島氏の「中国は恩義に報いる民族」であるという言葉が如何にむなしいか!
先進国が支援したのは安価な労働力や巨大市場の魅力という計算もあった
が、それと同じくらい、近代化すれば一党独裁の共産国家からやがて民主国
家へと変わっていくと思ってしまった。
しかし中国が民主化を実現すれば、その時点で中国は崩壊します。中国共産
党の本質は秦の始皇帝以来、全く変わっていない。王様が全て支配する国で
す。つまり共産党は王様であり、二千年来続いてきた正統の後継者なのです。
しかし副島氏の考えは「中国はやがて共産党独裁を廃止して民主国家になる。
ウイグル人も、チベット人も台湾人も、いじめないで彼らに大幅な大きな
自治権を与えて中国体制を平和的に支える周辺民族として手厚く処遇すると
決めるだろう」と言っていますが、少数民族による自治や、言論の自由と
言ったものを実現させれば中国はその瞬間崩壊します。
中国おいては、経済の近代化や民主国家になることは国の発展を意味し
ない。しかし日本やアメリカは、中国は資本主義開放経済への道を進むと
思ってしまった。
鄧小平は今まで「中国が経済力や軍事力をつけるまで、低姿勢で爪を隠せ」
と言っていました。ここに至って王様になった習近平は、ついに本性を現し牙
をむき始めた。つまり習近平が秦の始皇帝の様な王様になった以上は、
近代化し、民主国家になることは未来永劫あり得ない。
アメリカで有名な親中派の国際政治学者デビット・シャンボー教授が
「中国経済はすでに隆盛から衰退へと潮目が変わる転換点に踏み込んで
いる、それは外資の大量撤退に表れ、世界の工場から転落が始まっている」
と彼は突然自らの主張を変えました。
彼のこのような見解は中国市場で戦っているビジネスマンにはとっくの昔
から分かっていたことです。
教授の「中国の平和的台頭」を唱えてきた結果、それを信じたオバマ大統領
は「G2」を主張して泥棒国家中国を優遇し、国際秩序の維持、構築という大国
に見合う責任を期待していましたが、南シナ海、東シナ海における中国の
傍若無人ぶりをみてやっと中国の悪党国家の正体を知る始末。
トランプ大統領がオバマ大統領を批判するのは当然で、オバマ大統領が世界
の秩序を破壊したと言っても過言ではありません。
昨年習近平国家主席が米国訪問で白々しく「南シナ海の軍事化の意図はない」
と発言していますが、中国はその後もスプラトリー諸島で人口造成を進め、
滑走路や港湾を整備し、軍備を増強しています。トランプ大統領はオバマと
違い、このような中国の二枚舌を信用していません。
このように中国に対するとき、その幻想がもたらす害たるや、まことに深刻です。
(続きは次回にて)
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