フランス大統領選挙はオランド氏の29%に対しサルコジ氏は約27%
サルコジ大統領がいよいよ窮地に追い込まれました。
5月6日の決戦投票で逆転できるかどうかは、予想を上回る18%の得票率
で3位に入った国民戦線(FN)の支持層をどこまで取り込めるかに
かかっています。
2007年にサルコジ氏がフランス大統領に当選した時は正直びっくり
しました。彼はユダヤ系のハンガリー移民2世で、学業での成績は
悪くその上学歴を詐称していた男を大統領に選んだフランス人の変化に
驚きました。
旧来の貴族的なフランス保守派とは全く異質で、「成り上がり者」と言
われていました。彼は大統領に当選直後、地中海に自家用ジェット機と
マルタの豪華ヨットでクルージングし、大統領の給与を現状の2倍以上
に引き上げました。
私生活では3度結婚しており、2度目は配偶者のいる中不倫愛を貫き
結婚したがその後妻は実業家とニューヨークへ駆け落ち、復縁したあと
再び離婚、3度目は元トップモデルで歌手と結婚、まるで芸能人や
大金持ちのプレイボーイのようです。
フランス人は彼のことを口を揃えて、軽薄、傲慢、目立ちがり屋、派手
好き、無教養、ちび(163センチ)と嫌っています。それでも第1回投票
で27%もあり1位の左派の社会党オランド氏との差は2%しかありません。
産経新聞パリ支局長の山口昌子氏は「嫌いなサルコジ」を選ぶか「疑問の
オランド」を選ぶかと言う上手い表現でフランス人の気持ちを適格に書い
ています。
左派のオランド氏の掲げる政策は週35時間労働の堅持、60歳定年の復
活、6万人の公務員の増員、原発削減などこれらの政策を実施したら
フランスはギリシャの二の舞になると国民は恐れています。
つまりフランス国民は軽薄で信頼できないサルコジ氏を選ぶか、実直だが、
経済を知らない時代に逆行する左派のオランド氏か有権者は迷っています。
この間隙をぬって極右・国民戦線のルペン氏が18%の得票率を獲得した
のも当然だと思います。
しかし何故保守のルペン氏を「極右」と称するのか、私には理解できま
せん。彼女の主張している「移民に寛容な多文化主義が欧州の伝統や文化
遺産、国家アイデンティティーを破壊している」「欧州統合を進めるEU
やグロバリーゼーションに反対」など至極真っ当な意見だと思います。
国民戦線の女性党首、マリーヌ・ルペン氏の「新世界秩序は祖国を破壊
する」と言っている彼女は正しいと思います。
同じ保守のサルコジがルペン氏を取り込むためにユーロ離脱や移民排斥
に歩み寄っていますが、今更という気がします。フランス国民はどれも
一長一短で選択肢がありません。
日本で総選挙があれば売国奴と判明した民主党には絶対に入れたくないが、
かといって自民党も頼りない、結局フランスのルペン氏のような第3局
である橋下氏が率いる維新会が伸びることになりますが、果たしてそれ
で良いのでしょうか?
日本もフランスと同じで選択肢がないようです。
