ギリシャの破綻と中国共産党の終焉が見えてきました。この二つの国の共
通項は極左政権である事です。それとこの両国は、自国民からも世界から
も信用をなくしていることです。公的にも私的にも「信なくば立たず」の言葉
通りいずれ崩壊を迎えることになります。
ドイツのメルケル首相は、支援協議を開始する状況にはないとの認識を示し
「ギリシャは最も重要である信頼が失われてしまった。それは、厳しい協議
になることを意味する」と語っています。チプラス首相はギリシャが生きて
いくためにはユーロ圏にとどまることを内心決定していますが、ドイツはウ
ソつき左翼チプラス政権であるギリシャを既に見限り、ユーロから離脱させ
ることを念頭に動いています。
ギリシャは、2012年破綻した際、EUの合意により、年金改革と公務員リス
トラなどの緊縮財政をとってきましたが、2015年1月25日の選挙で生活が
苦しくなった不満に付け入り、極左のシリザ連合は「減額された年金を従来
通りに戻す」「解雇した公務員を復職させる」「低所得者への給付を増やす」
というとびっきりの甘い政策を掲げて政権を取ってしまった。
その上借金の差し押さえを許さない、つまり借金を払わなくても差し押さえ
を免れるというトンデモナイ法律を作ってしまった。これぞまさに「泥棒に
追い銭」の国にして、社会の柱である信用を取っ払ってしまった。
結果、国は公共事業の代金を支払わず、受注企業も従業員に給料を払え
ない状態になってしまった。
極左のシリザ政権になってからこのようになったのではなく、大戦後、ギリ
シャはずーと国民を甘やかす「配る政策」を掲げる左翼政権を選択してきま
した。そして配るために身の丈に余る借金をしてきた。その借金で公務員を
増やし、年金を拡充してきました。
公務員の数は生産年齢人口の4分の一 、その勤務時間はかなり緩く、時間
通りに出勤した人には特別の手当が支給された。年金も退職前の給与に対
する割合が90%を超えていた。ユーロ圏に加盟したことによって借り入れコス
トが低下したことを良いことに、資金を手に入れるために借金をしまくったの
です。それでなくても産業基盤の脆弱なギリシャが破綻するのは当然です。
ギリシャは借金するために借金の額を過小に申告、そのウソが発覚して
以降、信用力が低下し、借金が出来なくなった為に、EUやIMFに泣きついた。
EUやIMFはお金を貸すときに条件をつけた。財政を立て直す為の緊縮
政策をギリシャは受け入れた。ギリシャ国民は5年間我慢したが、長年の
左翼政権の甘やかし政策によって国民は厳しさに耐えられない怠け者に
なっていた。
EU諸国から見れば、先に危機的状況を迎えたユーロ圏のアイルランドが
見事に立ち直ったことから当然ギリシャも緊縮財政を受け入れることで立ち
直れるはずだ、とやや安易に考えてしまった。
しかし長年の左翼政権で国民が、労働意欲と倫理観が低くなりモラルハザー
ドの悪化で、「借りたものは返さなくてはいけない」というごく当たり前の
社会正義さえなくなっていきました。つまり借金を返さなくても許される社
会とはもう誰も信用出来ない社会になってしまったということです。
これではギリシャの富裕者は外国に資金を持ち出すことしか考えなくなり
ます。2010年~2012年の3年間に富裕者が外国に持ちだした金額は10兆
8000億円と推定されています。極左のチプラス政権になってから流出額は
益々勢いを増し4月だけの流出額は3兆8000億にも及ぶと言っています。
(経済メディアのエコノミアデジタル)ギリシャの富裕層は海外逃亡
パスポート申請急増の文字が踊っています。
ギリシャの国内経済は完全に失速し、2009年~2013年に25万社の中小
企業が閉鎖しました。外貨を稼ぐと思われている海運業も過去税金を払った
ことがありません。船主は会社も船の登録も税金の安い外国に移籍して
います。富裕層である医者や商人たちも脱税に熱心であまり税金を払いま
せん。2013年だけの脱税金額は10兆2600億円とスペイン紙の「リブレメル
カード」が報じています。
ギリシャ人は戦後長く左翼思考の悪影響で、「税金は国民の富を盗む行
為だ」と考えて、税金を払わないことへの罪の意識はほとんどありません。
つまり国家を維持するためには税金は払わなければならないという意識が
ギリシャ国民の多くは受け入れる事ができなくなっています
(アテネ大学のハツイス教授の言)
14日の新聞の1面に「ギリシャ支援 再開合意」と大きく報道されています。
日本の評論家は「チプラスは素人である」と批判をしていますが、トンデモ
ナイ、チプラスはギリシャのユーロ圏から追い出されることは100%あり得
ないと読みきってEUと交渉しています。
重要事項の決定には全会一致が原則のEUが、ギリシャをユーロ圏から追放
するのはほとんど無理ですし、そのような決定を裏付ける規則すら何もあり
ません。またドイツがギリシャに「ユーロ圏からの一時離脱」を迫っても、
既に財政が悪化しているフランスやイタリアなどは強固に反対しています。
ということはギリシャのユーロ離脱は、ほとんどあり得ないということです。
ギリシャが02年にユーロに加盟した後、高利回りを求めて巨額資金が
ヨーロッパ各国や日米などから流入してバブルになりましたが、ギリシャ危
機発生後、海外の民間投資家によるギリシャへの債権が急速に減り、その
分をIMFやEUなどが肩代わりしました。ギリシャが金を返さなくて困るのは、
IMFやEUであり民間投資家にはほとんど迷惑がかかりません。
民間に対する債務の不履行は当然デフォルトになりますが、IMFという国家
への資金援助を目的とした公的機関と、国家との関係は、民間経済の決ま
りが当てはまらない。つまりギリシャがIMFに借金を返さなくてもデフォルト
にならないということです。ブルームバーグ通信が報じています。
左翼政権のチプラスは国内向けに「米投機筋がそのバブルを崩壊させて
ユーロ危機を起こし、米国傘下のIMFが救済支援と称してギリシャを借金
漬けにして危機を長引かせている。それ故IMFが貸した金は不正な策の
道具なのだから返す必要などなく、むしろギリシャが受けた被害を弁償す
る義務がある」と恩を仇で返すトンデモナイ言いがかりを正当性だと国民に
吹きつけています。
チプラスは自国の借金問題を、国際問題に発展させ、IMFとその傀儡と化し
たECBによる借金取り戦略がまるで国際犯罪であるがごとく言い立てて、
そして欧州の支配機構を対米従属からの離脱させるための「革命」だと宣伝
して、全欧的な政治運動に発展させようとしています。
そのうえチプラスは、筋違いの第二次世界大戦中のナチス占領のよる賠償
問題まで持ちだしてドイツを攻撃しました。
ギリシャに対して最大の支援負担国でありながら、批判されたドイツの
メルケル首相は完全に切れてしまった。メルケルは借金を踏み倒すヤクザ
であるチプラスの思いのままにならないために、逆にドイツがユーロ圏から
離脱を宣言する可能性が出てきました。ドイツ国民の多くも賛成しています。
これをやれば欧州連合の崩壊だけでなく、世界経済を混乱させる非常事態に
なります。「ギリシャのユーロ残留のためにあらゆる手を尽くす」と大見得を
切っていたフランスのオランド大統領やイタリアなどは真っ青になることは
うけあいです。
結局1~2年後、ギリシャはユーロ圏から追い出されることになります。
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ギリシャの総選挙で、欧州連合の支援と引換えに財政再建を進めてきた
連立与党が敗北し,反緊縮財政をとなえた急進左派連合が躍進しました。
(産経新聞5月17日)
営々と進めてきた通貨統合の挑戦は何故危機に見舞われているのか。
欧州単一通貨ユーロの未来はあるのか、今日は検証したいと思います。
6月のギリシャ再選挙で「反緊縮政権」が誕生した場合、EUやIMFなど
を通じた支援策の履行は困難になり、ギリシャはユーロ圏から追い出さ
れ、結果広範囲なデフォルトが起きるおそれがあると世界中に不安が
拡大しています。
しかしたとえ急進左派連合中心の「反緊縮政権」が誕生してもギリシャ
がユーロ圏から離脱することは有り得ないし、欧州もギリシャを追い出
せない。
日本のニュースでは「ギリシャが早ければ6月にも債務不履行に陥り、
ユーロ圏からの離脱を余儀なくされる」と報じています。他の評論家は
「ギリシャだけではなく、複数の国で銀行取り付け騒ぎが起こり、民間
にもデフォルトが広がり、ユーロは早晩崩壊します」と言っています。
しかし少し大げさすぎるような気がします。ギリシャの経済規模は神奈川
県とほぼ同じで25兆円。ギリシャ国債発行残高はたかだか約33兆円です。
しかもギリシャデフォルトの煙は3年前から燻っています。欧州各国は
ギリシャ崩壊の覚悟と準備はすでに終わっています。ただ欧州各国の首脳
の後悔は、2010年5月に、ギリシャが最初に支援を受けた時点ですでに
破綻していた事実を認識できなかったことです。
フランスもドイツも恐れているのはギリシャがユーロを離脱しデフォルト
に陥り、それを機にイタリア国債やスペイン国債が大量に売られて大混乱
になることを恐れています。外国人投資家は現在この2ヵ国の国債を合計
8000億ユーロ保有しています。
外国投資家も欧州をパニックに陥らせないように徐々に売りさばいていま
す。フィナンシャル・タイムズによれば外国人投資家によるここ9ヵ月間
の売却額は、イタリア国債で2000億ユーロ、スペイン国債で800億ユーロ
に達していると報じています。
欧州の銀行はユーロ圏の国債を大量に持ち、これらの国債価格が下がれば、
銀行の損失が膨らみ、欧州経済が失速し景気が冷え込んでしまいます。
それ故中心的な問題はギリシャではなく、イタリアとスペインです。
ギリシャ問題がイタリア、スペインに伝染した場合一番恐れているのは
フランスです。
フランスは、イタリア国債の44%を持ちスペイン国債も大量に持ってい
ます。察知した各付機関はフランスの各付けを一早く下げました。
だから誰もギリシャをユーロ圏から追い出すようなリスクは取らないと
思います。6月の再選挙で急進左派連合政権が成立し、彼らの訴え通り、
緊縮財政路線が放棄されても、EU、IMF、ECBの機関は支援をせざるを
えないと推測します。
「ギリシャを早期破綻させ、強制退去させたほうがユーロも強くなり、
ユーロ圏が生き残ることができる」という説がアメリカなどで言われて
いますが、それは現在では遅すぎます。
2010年5月にギリシャに最初に支援した時点ですでに破綻していた事
を認識してギリシャを強制的に離脱させれば、問題はなかった。しかし
現段階では、イタリア、スペインだけでなくアイルランド、ポルトガル
などはもっとひどい状況になっています。現在の欧州はギリシャ離脱で
広がるパニックに耐えられる状況ではありません。
一国が危機に陥ると必ず「財政緊縮と増税、構造改革」を唱えますが、
このような施策は景気が低迷し、失業率が増大します。危機に陥った
国が立ち直るどころかもっとひどい危機になっていきます。
ユーロ圏の最初の財政危機の原因は加盟国が一斉に導入した付加価値税
のせいです。ユーロ圏は財政赤字を解消するために増税策を取ったのです。
結果 消費が冷え込み、中小企業の倒産が増え、そして失業が増え,職の
無い移民が暴動を起こし、治安がいっぺんに悪くなりました。
日本の愚かな野田首相は「消費増税に命をかけると」叫んでいますが、
日本を壊すつもりですか?「消費増税しなければ日本はギリシャ化の道」
と言っていますが全くの真逆です。
増税で国が栄えたなど世界の歴史の中でありません。まして日本は景気が
冷え込んでデフレです。このようなときに増税するなど自殺行為です。
野田首相殿、ユーロ圏の導入した付加価値税の失敗を何故知らないので
すか?
あなたは松下政経塾の一期生です。松下幸之助氏は日本の酷税に危機感を
持ち「無税国家論」を提唱していました。一期生のあなたが増税国家を
目指すなど、まさに裏切り行為です。
なぜあなたは180度異なることを主張するようになったのか、松下氏は
日本をよくするために松下政経塾を設立しました。しかし松下氏の志を
受け継いだ国会議員は見当たりません。
松下氏は愛国心の持った純粋の日本人を入塾させるつもりが、分からずに
通名の「なりすまし日本人」を入塾させたようです。

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ギリシャ財政危機の対応を話しあうためのEU財務相会合に,何故か
米国のガイトナー財務長官が参加しています。米国が希望したのか
欧州連合が呼んだのか分かりませんが、意見がまとまる筈もありま
せん。
何故なら財政再建を最優先と位置付ける欧州と景気重視の米国とで
は、まるで水と油です。
欧州に慌てて飛んできたガイトナー財務長官は、ギリシャ危機対応で
足並見の乱れが目立つ欧州各国に結束を呼びかけ、欧州金融安定化
基金の拡充を提案しました。
ところが欧州の各財務相は「部外者とは協議しない」「米国のほうが
もっと経済の指標は悪いのに我々に指図するとはおこがましい」「米国
こそどうやって財政赤字を削減するのか」と米国の意見に聞く耳を
持ちません。
ガイトナーの提案である基金の拡充とは、金のない各国により負担を
強いる事で、いまさら「あんたに言われたくない」ということです。
ギリシャ危機はイタリア、スペイン、に飛び火していますが、もし
ギリシャをデフォルトさせれば、一番こまるのはフランスです。
フランス銀行は、対ギリシャ向け債権の4割に当たる569億ドルを
保有しています。
今月中には80億ユーロが融資される予定ですがドイツは「ギリシャ
が財政赤字削減のための合意事項を実施しない限り融資しない」と
脅しをかけています。
欧州中央銀行も昨年5月からギリシャやイタリアなどの国債を1400億
ユーロも買い支えていますが、底の抜けたバケツで、まったくの一時
しのぎにしか過ぎません。
各国財務相たちはギリシャに対してヒステリックに財政再建の優先
と叫んでいますが、ギリシャのような国が財政再建出来るはずが
ありません。
ギリシャは農業国でありなが農産物輸入国です。輸入総額が528億
ドルもあるのに輸出総額が152億ドルしかありません。
大幅な輸入超過は観光収入と外国で働くギリシャ人からの送金によっ
て少しは相殺されますが、万年赤字国家で外国債と外国の投資に依存
して生きています。
その上陽気で天性の遊び好きで、基本的には怠け者です。真面目な
ドイツ国民は怠け者のギリシャ人に対して「怠け者を助ける為に
自分たちの政府が資金を出すことを容認できない」と怒っています。
ドイツ国民は「ギリシャは島を売ってでも借金を返済すべきだ、ギリ
シャが去らないならドイツが去る」とギリシャがユーロ圏からの
脱退を要求しています。
ギリシャ崩壊を一番恐れるフランスは「ギリシャをユーロから追い出せ
ば債務危機がスペインやイタリアに拡大して、欧州の金融システムが
揺らぐ最悪の事態を招きかねない」とドイツを必死に繋ぎ止めています。
しかしギリシャを見捨てない限り欧州通貨統合は失敗せざるをえません。
ユーロ圏財務相会合のユンケル議長は「ギリシャが財政緊縮計画を
完全に実施することが必須だ」と述べていますが、この人も経済につい
ての理解は個人のそれであって、経済全体、国の経済についてのそれで
はないという点を認識しえないでいるためにひどく混乱しています。
例えば企業の債務が危険な水準まで高くなっていれば、当然その企業は
費用を削減し、リストラをし、新設備への投資を延期するという決定を
します。
しかしこの常識的な物の見方、企業にとって妥当な考えを国の経済に
適用しようとすると、悲惨な結果を招きます。
政府が景気後退に直面して、債務と財政赤字を抑える目的で支出を削減
し、税収維持のために増税するならば、その国のビジネスや経済全体に
対する影響は極めて重大なものになります。つまり増税と政府支出の
削減で一般大衆の財布は硬く閉じられてしまい、結果会社は顧客を失う
ことになってしまいます。
ということは多くの顧客を失った会社は倒産し、倒産した結果失業が
増え、ますます購買力が減り、国の経済は悲惨な結果に沈んでいきます。
ところが、驚くほど多くの政治家が、まさにそのような政府支出削減や、
増税に賛意を示しています。個人の経済と国の経済とは根本的に違うと
いうことが理解出来ずに財務相になったり首相になればその国にとって
は最大の悲劇です。
経財については、個々人にとって悪であることが国の場合には美徳で
ありうるということを分からないまま国のリーダーになれば国民は
迷惑します。
野田どじょう総理のように「子孫にツケを残していいのか?」という
決まり文句で増税を納得させようとするなどあまりのも稚拙すぎます。
建設国債や復興国債で港や道路、その他のインフラ設備を充実させれば、
我々の子孫がその恩恵を受けるのです。
経済における混乱は個人の「原因と結果」と国の経済の「原因と結果」
を同じに考えることから、政治家は常に間違った政策を実施するのです。

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